2021年7月29日木曜日

安野真幸『日本中世市場論』2018

安野真幸『日本中世市場論』2018

https://www.amazon.co.jp/dp/4815809216/1



https://twitter.com/makotosaito0724/status/1099497341436911616?s=21
ここ数年の古川顕先生の通貨と信用に関する歴史研究はとても印象的。信用通貨の優越性を論じ、
信用創造の誤解を解く。この論文は、貨幣の起源について福田徳三や内田銀蔵の祓除(はらい)と
返済や購入の「払い」の関連で貨幣の宗教的起源に着目。


齊藤 誠 (@makotosaito0724)
2019/11/04 6:59
安野真幸「日本中世市場論」、市場が公開の「祓い」の場であることを象徴している。市場ては裁判
だけでなく処刑や債務奴隷の儀式も。市場の売買や貸借も祓いとパラレルな公開の行為だった。鋳貨
を介した取引は、祓いの儀式をバイパスする装置と考えたくなる。
https://twitter.com/makotosaito0724/status/1191112778632683520?s=21

日本中世市場論―制度の歴史分析― 単行本 – 2018/10/26
安野 眞幸 (著)

支払い・貸借・契約・裁判・差押えなど、市場が果たした多様な役割を明らかにするとともに、債権取立てを軸に中世日本の展開を描き出したライフワーク。神人・悪僧に発し金融を担う「公界」と公権力とは、慣習法と制定法、文書とその破棄、暴力と秩序等をめぐり、いかに切り結ぶのか。

【書評】
・『経済研究』 [第70巻第4号、2019年10月] から(評者:横山和輝氏)

・『日本歴史』(2019年9月号、第856号、評者:長澤伸樹氏)
"…… 副題とその重厚な内容からも明らかなように、本書が注目するのは、市場内部での売買・契約行為を成り立たせた背景にある「制度」(制度史)の実態である。なかでも説話や狂言・往来物、戦国大名の分国法などを素材として、市場のもつ多様な機能に注目し、かつて網野善彦氏が唱えた「公界」論へのアンチテーゼも含んでいる点に、大きな特徴があろう。…… 市場を一義的に解釈せず、平安末期から戦国時代に至る長期的なスパンのなかで捉え直し、その多面的な役割を明らかにした著者の姿勢は、大いに学ぶべきものがある。本書は、長年にわたり「市」や「港」といった交易空間のあり方を軸に、多くの業績を積み重ねてきた、著者ならではの市場論の集大成と評することができよう。市場史や法制史はもちろん、ひいては近年注目される債務史研究などにも大きな議論を呼ぶ一冊であることは疑いない。……"(『日本歴史』2019年9月号、pp.82-83)


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今昔物語』はそれより古い『日本霊異記』と比較すると面白いらしいです。『日本霊異記』では批判されなかった僧侶による高利貸しが、約3世紀後の『今昔物語』では批判されるようになった。


参考

『日本中世市場論』安野真幸 2018


「銭を貸す聖たち」赤坂憲雄1988


『日本霊異記』はグレーバーが『負債論』で言及している。


グレーバーは『日本霊異記』内のエピソードの扱い方のなかに債権者と債務者のどちらが悪いかの判断の混乱が既にあると言う。『負債論』邦訳20,21頁


https://nam-students.blogspot.com/2020/04/blog-post_68.html


ちなみに岩村が芥川龍之介経由で紹介した今昔物語の瓜売りの話の結語は
贈与の有効性を説いている

外術を以て瓜を盗み食はるる語 今昔物語集巻二十八第四十

https://japanese.hix05.com/Narrative/Konjaku/konjaku2/konjaku211.uri.html

《下衆共、瓜を惜しまずして、二つ三つにても翁に食はせたらましかば、
皆は取られざらまし。惜しみけるを翁も みて、此くもしたるなめり。》
下衆どもが瓜を出し惜しみせず、二つ三つでも食わせてやったならば、
全部とられることもなかったであろうに。物惜しみしたお怪我で、こんな目にあったのだ。)

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