2021年1月20日水曜日

“Has Japan Been Following Modern Money Theory …?ランダル・レイ

書き起こし:
ランダル・レイ_基調講演20210122_日本語同時通訳の書き起こし
2021/01/30 16:58




パネルディスカッションより


日本の分析に関しては以下の内容と重なる

13:15
 さらに、貨幣がインフレを引き起こすわけではない。ミルトン・フリードマン、そしていわゆるマネタリストというのは何十年も使って我々を説得しようとしました。つまり貨幣によってインフレは起こると説得しようとしたのです。
 でもそれは真実ではない。ただ、支出の過剰はインフレを引き起こし得ます。でも誰が支出しているかは関係ありません。わたくしの同僚ステファニー・ケルトンが言っているとおり、レジ、キャッシャーというのは差別をしないのです。政府、あるいは民間であれ過度の支出がインフレを引き起こすのだということです。
 ケインズは1936年の著書の中でこう言っています。「真のインフレというのがおこるのは完全雇用を達成したあとである」と、「そして、完全雇用を達成したら、インフレを避けるために、増税をする、あるいは歳出を引き下げなければいけない」と。
 ただ、インフレのほとんどというのは完全雇用を達成する前に発生しまして、彼はこれを「セミ-インフレ」と呼んでいました。これは需要過多によって引き起こされるわけではない。そうではなくて、例えば経済のボトルネックですとか、あるいは価格決定力、とかモノポリストとか、あるいは寡占とか、あるいは強い労組、労働組合などによって、セミ-インフレはおこります。
 ただ、彼は「緊縮財政、つまり総需要を削減する、のが実はそれに対する対抗策かどうかはわからない」と言っています。
 例えば一例として、OPECが1970年代の初めに、原油価格を3倍に引き上げた時、これはケインズが言うところの、セミ-インフレかもしれません。*
 原油価格が上がって、それが他の物価に波及する。アメリカがこれに対して財政緊縮策をとりました。で、ケインズは、「それは間違っているアプローチだ」と言うでしょう。でも日本はどうしたか。日本は逆にエネルギー効率を上げたのです。省エネをしました。つまり日本はアメリカよりも2倍も省エネ国家になりました。エネルギー効率を高めて、そしてそれで原油危機、石油危機に対応した。これが正しいアプローチだったと思います。ただインフレが過度な支出によって引き起こされたときのみ、つまり、ケインズが言うところの「真のインフレ」のときのみ緊縮財政をとるべきで、そうではなければ、インフレの原因に直接、対応するべきだと、言うのがわたくしの理論です。

*注:
ケインズ1936
セミインフレ

Keynes1936#21-4-4
…貨幣表示の有効需要がこれ以上増加すると賃金単位の不連続な上昇を引き起こしかねないこれらの点は、ある観点から見ると、完全雇用状態で有効需要が増加したときに発生する絶対的インフレーション(以下の七一─二ページを参照)と若干似た(類似はきわめて不完全だが)半インフレーションの局面だと考えることもできる。そのうえこれらは大いなる歴史的重要性をもっている。けれどもそれらはたやすく理論的一般化を図れるような性質のものではない。

…These points, where a further increase in effective demand in terms of money is liable to cause a discontinuous rise in the wage-unit, might be deemed, from a certain point of view, to be positions of semi-inflation, having some analogy (though a very imperfect one) to the absolute inflation (cf. Chapter 21   below ) which ensues on an increase in effective demand in circumstances of full employment. They have, moreover, a good deal of historical importance. But they do not readily lend themselves to theoretical generalisations. 
19:30

 では、なぜ日本がMMTの提言に従っていないとわたくしがいうのか、それは、日本がいままでとってきたのはストップ・ゴー・ストップ政策だったからです。
 少なくとも不動産バブルがはじけて以来はそうでした。
 それ以降、日本は景気後退に出たり入ったりしていて、そして平均成長率は低迷しています。
 リセッションに入ると、財政刺激を限定的に拡大して、そして景気回復が始まると、刺激をやめて、そして税金を引き上げる。多くの場合、消費税の税率を引き上げて、そして赤字を埋めようとする。ところが税率を引き上げたことによって、経済がまた後退し、そして赤字がまた増えると、赤字は税率が上がるにしたがって、景気が落ちるので、減るのではなく、赤字が増えていきます。

 つまり日本は慢性的な赤字、そして債務を抱えているのは景気の経済成長率が低いからです。で、その理由は財政刺激策を十分長く持続して、景気が回復軌道に乗るまでまてないからなのです。

画像11

 私が常に言うのは、赤字には二つの道があると言っています。
一つが醜い道、もう一つが、わたくしが呼ぶところの美しい道です。きれいな道です。
 残念ながら日本は、そして日本だけでなくほとんどの国がそうなのですけれども、通常日本の赤字というのは醜い道を通ります。Aという地点からまず始めます。Aというのは穏やかな成長率、赤字も低いレベルです。経済がリセッションに入ると、B地点に移行します。つまり成長率がマイナスになり、そして税収が下がる、結果として赤字比率、つまり赤字対GDPの比率がBという地点まで上昇するわけです。
 で、この赤字は、リセッションの下限(加減?)となり、そしてその後、景気の回復が、増える。そして、政府の赤字支出が増える、そうなるとCという地点に来ます。Cでは成長率は上がる。そして税収があがる。そして徐々にDという地点に下がるわけです。Dというのは成長率が高く、そして赤字が低いというレベルです。

 一方美しい道、赤字の美しい道というのは直接ポイントAからCに移行するというやり方です。そのためには、例えばグリーン・ニューディールのプログラムとか、を使って、景気刺激策をとり、そして成長を引き上げ、そして税収をある程度まで引き上げることによって、赤字も上がるけれども、ただその赤字は経済の成長を加速し、そしてCからDに移行するにしたがって、赤字が下がるというやり方。これが美しい道です。ただ、これは概念であり、抽象的な思考です。

画像12

 そこで、では実際の道、経路、経済の経路を日本とアメリカについてプロットしてみました。このループ・ザ・ループと呼んでおります。非常に複雑に見えるのですけれども、80年から始まっております。リアルGDPとか、実質GDPがだいたい3%ぐらい、そして赤字比率というのがあります。だいたい4%ぐらいでしょうか。そして経済がそれに伴って成長しております。少し、赤い矢印と同様に、少し下がって鈍化しております。だいたいそこから成長率が上がって、そして、赤字比率は下がっていくわけです。90年には、実際には不動産バブルがはじけました。そして経済が鈍化していきます。90年から91年、92年、93年に従ってです。そうすると非常に大きな不況に陥ります。成長もマイナス。そしてさらには赤字が増える、ということ。
 そしてどんどんと赤字が増えていきます。経済はそこで回復基調に乗るのですけれども、消費税増税によって、97年増税になりました。それによって、成長率がまた鈍化し、そして不況におち、そしてまた赤字比率はGDP比10%、そうするとまたそれで、経済が疲弊します。2000年には非常に高い赤字比率になっています。

画像13

 しかし、成長に転じております。非常に高い赤字比率がだんだんと下がってきます。経済が上がってきているからです。そして最終的にはグローバル金融危機はもちろん日本のせいではありませんけれども、アメリカが景気後退、そしてまたそれが世界に広がって、最終的にまた赤字比率が上り、そしてそれに2010年、少し景気は回復しております。

画像14

 どんどんとその話が進んでいくわけですけれども、今これで成長率がまた下がり、また不況期に入っております。そして赤字比率と言うのは、1%、2%の成長率では赤字比率も下がるという状態です。
 大きな赤字によって、成長がそがれています。景気刺激策ではないのです。実際にどこまで行くかということなのですけれども、十分な景気刺激策がないと、経済は再度成長には転じません。

画像15

25:00

 もう一つデータを皆さんにおみせしていきたいと思うのですが、これは部門間のバランスです。こちらはまさに、なぜ、赤字が裁量的ではないのか?と言うことを示しております。この総量レベル、経済の総量レベルで黒字の合計というのは実は赤字の合計にイコールなのです。
 なぜかというと収入と支出はイコールだからです。ということで、皆さんの経済のある部門が、黒字であるということは、他の部門が、赤字であるということを、意味します。つまり収入以上に使っているわけです。
 なぜかというと、その総量レベルでは、黒字の合計が赤字の合計になるからです。ということで、それを、部門別に分けてみてみたいと思います。そうすることで、まず国内の家計を見ていきます。そして国内の政府収支、そしてまた企業部門、そしてそれ以外のRest of the Worldということで。収支をこの4つのセクターで全部見てみますと。必ずゼロになるわけです中には赤字もあり、そして中には黒字もあり、でも全部の総計で見ますと、それはゼロに等しいわけです。
 例えば、経常収支黒字、日本はそうなのですけれども。通常は、その日本が経常収支黒字でありますと、Rest of the Worldというのは赤字ということになります。
 家計は黒字です。しかし、企業は赤字、あるいは黒字になっています。この企業が非常にたくさんの投資をしているということになりますと、おそらく赤字に転じているということが考えられます。通常は家計と企業を合わせますと国内の民間部門というのは、全体としては黒字になります。
 そして最後に、政府です。政府はだいたい赤字です。これは日本だけではありません。ほとんどのいわゆる近代貨幣の国では政府は赤字です。財政は赤字です。
 ということで、家計プラス企業を全体で見ますとその黒字イコール政府とRest of the Worldの赤字に等しいということなのです。

画像16

27:13

 多分、絵で示した方がわかりやすいと思いますので、こちらの絵でお見せしていきたいと思いますが、これが、家計がブルーで表しております。そしてこれ見ていただきますと黒字です。その黒字というのが、日本が経済よかった時には非常に大きかったわけですけれども、最近では少し幅が小さくなっております。グレーがRest of the Worldです。
 赤字になっています。なぜかというと、日本というのは貿易収支が黒字だからです。
 そして企業部門を見ていただきますと、オレンジなのですが、この企業部門というのは80年代には非常に日本が急成長しておりましたので、その時は赤字でした。
 つまり企業が投資をするために借入をするわけです。そしてそれに伴って、成長が促されました。そして、その時点では、企業部門は今度は黒字になっております。
 最終的に政府が全体として、ほぼほぼ、80年代最後には、黒字だったのですけれども、通常政府は赤字というところに落ち着いております。
 そうすると、この30年を見ますと、企業部門というのは、経済成長には加わっていない。つまり、net savingだからこそ、黒字になったわけです。netでは貯蓄に転じたから、黒字だったわけです。だからこそ、この経済と言うのが、かつてほどの成長をとげられないということなのです。




パネルディスカッションダイジェスト



公式

NIKKEI CHANNEL | 現代貨幣理論とコロナ危機 日経ビジネスイノベーションフォーラム
https://channel.nikkei.co.jp/e/mmttheory


ダイジェスト改訂版


"Has Japan Been Following Modern Money Theory Without Recognizing It? Yes. And No." ランダル・レイ
2021年1月22日

長期不況の出口の見えない中訪れたコロナ危機。不安を克服し、豊かな未来を作るため、政府がいま果たすべき役割とは。
政府債務に限界はあるか。現代貨幣理論、現代日本経済の第一人者を迎え、日本経済の今と未来を考え抜く。※日英同時配信あり
https://www.tku.ac.jp/event/2020/1221-2070.html
開催日時 2021/1/22(金) 17:30~21:00 受講料 無料
主催 日本経済新聞社 イベント・企画ユニット 共催 東京経済大学

プログラム
17:30~17:45 会挨拶
東京経済大学 学長 岡本 英男

17:45~18:25 基調講演
"Has Japan Been Following Modern Money Theory Without Recognizing It? Yes. And No."
経済学者/バード大学教授 兼 レヴィ経済研究所 上級研究員 ランダル・レイ

18:25~18:55 講演①
「資産選好と長期不況」 大阪大学特任教授(社会経済研究所)・名誉教授 小野 善康
18:55~19:25 講演②
「プラグマティズムとMMT」経済産業省 参事官/評論家 中野 剛志
19:35~20:20 現代貨幣理論に対する専門家コメント
「政府債務と金融システム-市場からの視点」成城大学 社会イノベーション学部 教授 後藤 康雄
「『MMT+α』の政策が求められる日本」クレディセゾン 主任研究員/経済評論家 島倉 原
「MMTの可能性について」大月短期大学 教授 内藤 敦之

20:25~21:00 パネルディスカッション
経済学者/バード大学教授 兼 レヴィ経済研究所 上級研究員 ランダル・レイ
大阪大学 特任教授(社会経済研究所)・名誉教授 小野 善康
経済産業省 参事官/評論家 中野 剛志
※プログラム、講演内容は予告なく変更する場合がありますのでご了承ください。


レイが言及

The Economics of J. Fagg Foster

1907 - 1985 

J・ファッグ・フォスター

サミュエルソン

http://nam-students.blogspot.com/2015/02/blog-post_17.html


レイ日本語

https://esf.nikkei.co.jp/e/img/insertedEventImage.asp?e=03361&disptype=1&eventitemid=0005&imageid=00001


レイ英語

https://esf.nikkei.co.jp/e/img/insertedEventImage.asp?e=03361&disptype=1&eventitemid=0030&imageid=00001

スライド:


https://esf.nikkei.co.jp/e/img/insertedEventImage.asp?e=03361&disptype=1&eventitemid=0030&imageid=00002









中野剛志

https://youtu.be/9RQI75BG6wU



書き起こし:

参考:
18:50ラーナーの操舵輪の比喩
Lerner 1951(第一章 経済の平衡輪、あるいは人々の新しい着物の物語)
https://nam-students.blogspot.com/2019/06/lerner-1951.html
Lerner, A. 1941. The economic steering wheel. University Review, June, 2-8.の改訂版再録


小野


https://esf.nikkei.co.jp/e/img/insertedEventImage.asp?e=03361&disptype=1&eventitemid=0007&imageid=00001


小野英訳


https://esf.nikkei.co.jp/e/img/insertedEventImage.asp?e=03361&disptype=1&eventitemid=0031&imageid=00001


島倉 


https://esf.nikkei.co.jp/e/img/insertedEventImage.asp?e=03361&disptype=1&eventitemid=0010&imageid=00001










内藤


https://esf.nikkei.co.jp/e/img/insertedEventImage.asp?e=03361&disptype=1&eventitemid=0011&imageid=00001



https://esf.nikkei.co.jp/e/event.asp?e=03361


WEB配信】

日経ビジネスイノベーションフォーラム

現代貨幣理論とコロナ危機

Nikkei Business Innovation Forum

Modern Money Theory and the Corona Crisis


<資料ダウンロードページ> 


・承諾をいただいた登壇者の資料のみ、ダウンロードいただけます。

・視聴いただいた全ての資料がダウンロードできるわけではございませんのでご了承ください。

・プログラムは予告なく変更になることがあります。


ダウンロード期限は35日(金)です。

ダウンロード用に、資料の割愛、追加などがある場合がございます。

なお、アクセスが集中しますと、ダウンロードいただくのに時間がかかる場合がございます。ご了承ください。 


* Please note that only the presentation materials with permission can be downloaded. Not all materials shown in the presentation can be downloaded.

* Please note that program details may be subject to change.

* The materials can be downloaded by March 5th 23:59(JST).

* Unauthorized reproduction prohibited.



<日本語版>

基調講演

経済学者/バード大学教授 レヴィ経済研究所 上級研究員 

ランダル・レイ氏

20201217日版草稿に基づく和訳

講演①

大阪大学特任教授(社会経済研究所)・名誉教授

小野 善康氏

講演資料

現代貨幣理論に対する専門家コメント

クレディセゾン 主任研究員/経済評論家

島倉 原氏

講演資料

現代貨幣理論に対する専門家コメント

大月短期大学 教授

内藤 敦之氏

講演資料

English

Keynote

Mr. L. Randall Wray

Economist. Professor of Economics at Bard College and Senior Scholar at the Levy Economics Institute.

Draft in English Slide

Lecture1

Mr. Yoshiyasu Ono

Specially Appointed Professor and Emeritus Professor of Osaka University (Institute of Social and Economic Research)

English





__




参考:


断章33 機能財政論の真実、もしくはラーナー1951、もしくは中野剛志のアレ | 不自由な思考をめぐって
https://gamp.ameblo.jp/erickqchan/entry-12652815253.html?__twitter_impression=true

断章33 機能財政論の真実、もしくはラーナー1951、もしくは中野剛志のアレ

 ミスター機能財政ことアバ・ラーナーの Economics of Employment(1951年)の印象的な冒頭の一説を nyun 訳で紹介します。

 ラーナーの導入はなかなかカッコよくて、経済運営を「未来の運転席にハンドルがない車」になぞらえているのです。ビル・ミッチェルのブログによれば、ラーナーは1941年に書いたエッセイのネタをバージョンアップして書き直したのだそうです。ここでは、このミッチェルによる引用をそのまま翻訳します。

 なぜこれを紹介する気になったかと言えば、中野剛志が言うところの「ラーナーが提唱した操舵輪アプローチ」の話が、当のラーナーの言っていることと噛み合っていないからなんです。

 中野はラーナーらのこの議論を長期的対応か短期的対応かの対比だと捉えているように見受けられます。でも、真実はそうではなく、「事後的な対応」はよくないから「事前の対応」でないとダメ!という話なんですね。

 JGPだって、失業者が出てから対応するのではなく、失業者なんてありえない状態にしておくという発想なわけですよ。

 さらに中野は「総需要管理政策であればインフレ率や失業率のようなマクロ経済パフォーマンスの定量的指標のいくつかで判断すればいいだけだからです」とかいうんですけれど、んだから、そういう事後的な裁量はやめろっていう話です。はじめっから。

 …

 気を取り直して、行ってみましょう!せめてここに来る皆さんにだけはラーナーの真実を。中野よりはるかに面白いと思いますよ。

 私たちの経済システムは、見知らぬ惑星の宇宙人に見せるのは恥かしくなるような代物です。やり方を逆にしなければいけません。バック・ロジャースの惑星冒険物語の調子で想像してみてください。あなたは未来のハイウェイを眺めているとして。ハイウエイは広くてまっすぐで、車が道路から飛び出さないように両側の縁が切り立った造りになっています。まるで逃走中かのような車が見えてきました。スピードの出しすぎで今にも道路を飛び出しそうに見えます。 しかし道路の端に近づくと、前輪がターンしてセンター方向に向き直り、そのまま反対側の端に近づくと同じようにまたセンターへとターンするのです。この繰り返しでそのままずっとジグザグに走りながら視界から消えていきました。あれではいつかはクラッシュするのではないかと心配していると、別の車が同じような走り方で現れて、あなたの近くで急停止します。ドアが開き、「乗りますか?」と声をかけてきました。車の中を覗き込んで、思わず大声を上げてしまいます。 「えええ! ハンドルがない!」。

 「ハンドルなんてないのが当たり前だろう!」男は少し怒った様子。「だって前の座席が窮屈になる。昔はギアシフトレバーがあって危険だったけどハンドルなんてもっと危ないじゃないか。車が端に寄ったときに誰かがハンドルにしがみついていたらどうなる?前輪の自動回転をダメにしてひっくりかえっちゃうだろうが。それに、われわれは民主主義を信じている。生死を決めるような権限を一人だけに与えることはできない。それでは独裁だ。」

 「独裁反対!」同乗の人たちが声をそろえる。

「車を左右に動かす方法が気になるなら、忘れてちまいな。」と男は続けます。「ブレーキが素晴らしくて十回中九回は衝突を防げるんだ。われわれの道路の縁の構造は高機能だから道路から逸れずに何百マイルも移動できる。それに事故の生存者を近くの迅速に病院に運んだり車の残骸を道路から一掃して野原に積み上げて、避けられないこともあるということを思い出させる効率的なシステムがある。」

 そう言われて周囲を見渡すと、廃車や燃え尽きた車の山が見える。男が続ける。「感動的だろう?物事は改善されていくんだ。向こうには前に走った車のタイヤ痕に印をつけて写真を撮っている人たちがいるだろう?彼らはこの車の走行痕の写真も撮るんだ。そして写真を研究室に持ち込んで、カーブの周期的な特性や規則性の度合い、ターンからターンまでの平均距離、左右の振幅とかを分析するんだよ。もしいつか彼らの意見が一致を見たら、我々にできることとはいったい何かがわかるかもしれないね。今のところ彼らは、それが車の周期的なジグザグ運動が路面の種類や形状によるものなのか、それとも車の長さによるものなのか、あるいはタイヤのゴムの種類によるものなのか、天候によるものなのか、いろいろ論争している。馬とバギーの時代に戻らない限り周期運動をなくすのは無理だという意見もあるけれど、進歩を信じているからそれはできないね。で、乗ってみたい?」


レイの図は財政赤字と経済成長だったが、クルーグマンは失業率とインフレ率の図を持ち出してスタグフレーション説を検証している。インフレ率が上がれば国内生産から輸入に頼るようになり、失業率の上がり(上頂点→)、逆は輸出が増え失業率が下がる(下頂点←)。

フィリップス曲線は一国では成り立たないが、世界全体では成り立つ。

The Phillips curve is not valid for one country, but for the world as a whole.

クルーグマンは商品貨幣論に巧妙にしがみ付いている。

MMTには為替相場の考察が足りないと言うが肝心の自分達の分析でそれを無視する。

 
 
Paul Krugman
⁦‪@paulkrugman‬⁩
News: I'm starting up a substack, as a place to put seriously wonky items that would look strange at The Times. No idea how often I'll post. But anyway, here's the first entry paulkrugman.substack.com/p/stagflation-…
 
2021/02/05 22:41
 
 

https://twitter.com/paulkrugman/status/1357685723860762624?s=21


https://love-and-theft-2014.blogspot.com/2021/02/15mmt.html?m=1


《そもそも「インフレ」にはインフレの種類ご とに対応が有るのであって「インフレ」と 「財政赤字」を単純に結びつける事自体がお かしいです。》

スタグフレーションにも同じことが言える。



 




 

11 件のコメント:


  1. 1975
    セミインフレ

    日本はエネルギー効率を上げた

    インフレの原因に直接的に対応
    穏やかな成長
    格差の是正
    環境持続

    中野

    信用貨幣
    商品貨幣

    内生
    外生


    後者は個人主義

    中野
    ラーナーの操舵輪


    レイ

    フォスター
    https://love-and-theft-2014.blogspot.com/2021/01/j-fagg-foster-biography.html


    操舵輪アプローチ
    安定性


    裁量の意味

    透明性
    反証可能性

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  2. 公式
    2021年1月22日
    NIKKEI CHANNEL | 現代貨幣理論とコロナ危機 日経ビジネスイノベーションフォーラム
    https://channel.nikkei.co.jp/e/mmttheory
    レイ動画
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    レイ資料日本語 ~3月5日公開
    https://esf.nikkei.co.jp/e/img/insertedEventImage.asp?e=03361&disptype=1&eventitemid=0005&imageid=00001
    レイ英語
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    中野剛志動画
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    パネルディスカッション動画
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  3. 公式
    2021年1月22日
    NIKKEI CHANNEL | 現代貨幣理論とコロナ危機 日経ビジネスイノベーションフォーラム
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    レイ動画
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    レイ資料日本語 ~3月5日公開
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  4. 公式
    NIKKEI CHANNEL | 現代貨幣理論とコロナ危機 日経ビジネスイノベーションフォーラム 2021年1月22日
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    レイ資料日本語 ~3月5日公開
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    中野剛志動画
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    パネルディスカッション動画
    https://channel.nikkei.co.jp/d/?p=mmttheory&s=3021

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  5. セミインフレ

    Keynes1936#21-4-4
    貨幣表示の有効需要がこれ以上増加すると賃金単位の不連続な上昇を引き起こしかねないこれらの点は、ある観点から見ると、完全雇用状態で有効需要が増加したときに発生する絶対的インフレーション(以下の七一─二ページを参照)と若干似た(類似はきわめて不完全だが)半インフレーションの局面だと考えることもできる。そのうえこれらは大いなる歴史的重要性をもっている。けれどもそれらはたやすく理論的一般化を図れるような性質のものではない。

    These points, where a further increase in effective demand in terms of money is liable to cause a discontinuous rise in the wage-unit, might be deemed, from a certain point of view, to be positions of semi-inflation, having some analogy (though a very imperfect one) to the absolute inflation (cf. Chapter 21   below ) which ensues on an increase in effective demand in circumstances of full employment. They have, moreover, a good deal of historical importance. But they do not readily lend themselves to theoretical generalisations.

    (5)  Our first simplification consisted …

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  6. レイが2021年1月22日講演で出したアメリカの図

    https://1.bp.blogspot.com/-_BN5Nse8Y1k/YA0jffxh7xI/AAAAAAAB0_Y/60ToF1jttzcK3-stN8P9Sqwp2FJszGmvACLcBGAsYHQ/s1334/1E3E5E77-204B-41AE-8A08-016A6A1E64C2.png

    三橋貴明が出した日本の図
    https://1.bp.blogspot.com/-HPBWYHSanbc/XTHMdJzUOXI/AAAAAAABljA/Y09PZaRbNlMD_UVeORhd9sVsXS0AS_jzgCLcBGAs/s1600/IMG_4003.PNG

    返信削除

  7. レイが2021年1月22日講演で出したアメリカの図

    https://1.bp.blogspot.com/-_BN5Nse8Y1k/YA0jffxh7xI/AAAAAAAB0_Y/60ToF1jttzcK3-stN8P9Sqwp2FJszGmvACLcBGAsYHQ/s1334/1E3E5E77-204B-41AE-8A08-016A6A1E64C2.png

    三橋貴明が出した日本の図
    2019/7/19
    https://1.bp.blogspot.com/-HPBWYHSanbc/XTHMdJzUOXI/AAAAAAABljA/Y09PZaRbNlMD_UVeORhd9sVsXS0AS_jzgCLcBGAs/s1600/IMG_4003.PNG
    2020/06/17
    https://1.bp.blogspot.com/-HfuxR_DJ3lA/YB1YfYgFfII/AAAAAAAB9LM/Ry4qWCnfYvkLdNTVR3LqsTr9YavhwHZfQCLcBGAsYHQ/s968/63AC9C72-E1E3-49C4-AE43-97CFD9B8FE4C.jpeg

    企業の黒字は家計にとってプラスではない

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  8. グレーバーが出したイギリスの図
    https://lh6.googleusercontent.com/xvdK2EDYq2XyZyM094lz1rs5zbYq6-Tiovzu0NKy0_PPtnHlUXb-CdiWD31bhlA



    David Graeber: what the government doesn't want you to know about debt – video
    2015
    https://www.theguardian.com/commentisfree/video/2015/oct/28/david-graeber-what-government-doesnt-want-you-to-know-about-debt-video?CMP=share_btn_link
    https://youtu.be/LxJW7hl8oqM

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  9. https://1.bp.blogspot.com/-uZSjEHMC-yg/YB1bQe0EJfI/AAAAAAAB9Rk/Nvzjdu0EyQkgX0rV0ZjA-rKj4oZ6t3WJACLcBGAsYHQ/s1334/796F6C2E-055C-488C-9BB7-419E25159401.jpeg

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  10. グレーバーが出したイギリスの図
    2015
    https://1.bp.blogspot.com/-uZSjEHMC-yg/YB1bQe0EJfI/AAAAAAAB9Rk/Nvzjdu0EyQkgX0rV0ZjA-rKj4oZ6t3WJACLcBGAsYHQ/s1334/796F6C2E-055C-488C-9BB7-419E25159401.jpeg



    David Graeber: what the government doesn't want you to know about debt – video
    2015
    https://www.theguardian.com/commentisfree/video/2015/oct/28/david-graeber-what-government-doesnt-want-you-to-know-about-debt-video?CMP=share_btn_link
    https://youtu.be/LxJW7hl8oqM

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  11. 90 あ[sage] 2021/02/08(月) 09:31:38.20 ID:qy3r7r7N
    断章33 機能財政論の真実、もしくはラーナー1951、もしくは中野剛志のアレ | 不自由な思考をめぐって
    https://gamp.ameblo.jp/erickqchan/entry-12652815253.html
    2021-01-27
     ミスター機能財政ことアバ・ラーナーの Economics of Employment(1951年)の印象的な冒頭の一説を nyun 訳で紹介します。

     私たちの経済システムは、見知らぬ惑星の宇宙人に見せるのは恥かしくなるような
    代物です。やり方を逆にしなければいけません。バック・ロジャースの惑星冒険物語の
    調子で想像してみてください。あなたは未来のハイウェイを眺めているとして。
    ハイウエイは広くてまっすぐで、車が道路から飛び出さないように両側の縁が切り立っ
    た造りになっています。まるで逃走中かのような車が見えてきました。スピードの出し
    すぎで今にも道路を飛び出しそうに見え
    ます。しかし道路の端に近づくと、前輪がターンしてセンター方向に向き直り、
    そのまま反対側の端に近づくと同じようにまたセンターへとターンするのです。この
    繰り返しでそのままずっとジグザグに走りながら視界から消えていきました。あれで
    はいつかはクラッシュするのではないかと心配していると、別の車が同じような走り
    方で現れて、あなたの近くで急停止します。ドアが開き、「乗りますか?」と声を
    かけてきました。車の中を覗き込んで、思わず大声を上げてしまいます。「えええ!
    ハンドルがない!」。
     「ハンドルなんてないのが当たり前だろう!」男は少し怒った様子。「だって
    前の座席が窮屈になる。昔はギアシフトレバーがあって危険だったけどハンドルなんて
    もっと危ないじゃないか。車が端に寄ったときに誰かがハンドルにしがみついていたら
    どうなる?前輪の自動回転をダメにしてひっくりかえっちゃうだろうが。それに、
    われわれは民主主義を信じている。生死を決めるような権限を一人だけに与えることは
    できない。それでは独裁だ。」
     「独裁反対!」同乗の人たちが声をそろえる。
    「車を左右に動かす方法が気になるなら、忘れてちまいな。」と男は続けます。「ブレ
    ーキが素晴らしくて十回中九回は衝突を防げるんだ。われわれの道路の縁の構造は高
    機能だから道路から逸れずに何百マイルも移動できる。それに事故の生存者を近くの
    迅速に病院に運んだり車の残骸を道路から一掃して野原に積み上げて、避けられない
    こともあるということを思い出させる効率的なシステムがある。」
     そう言われて周囲を見渡すと、廃車や燃え尽きた車の山が見える。男が続ける。「感
    動的だろう?物事は改善されていくんだ。向こうには前に走った車のタイヤ痕に印を
    つけて写真を撮っている人たちがいるだろう?彼らはこの車の走行痕の写真も撮る
    んだ。そして写真を研究室に持ち込んで、カーブの周期的な特性や規則性の度合い、
    ターンからターンまでの平均距離、左右の振幅とかを分析するんだよ。もしいつか彼ら
    の意見が一致を見たら、我々にできることとはいったい何かがわかるかもしれないね。
    今のところ彼らは、それが車の周期的なジグザグ運動が路面の種類や形状によるもの
    なのか、それとも車の長さによるものなのか、あるいはタイヤのゴムの種類による
    ものなのか、天候によるものなのか、いろいろ論争している。馬とバギーの時代に
    戻らない限り周期運動をなくすのは無理だという意見もあるけれど、進歩を信じて
    いるからそれはできないね。で、乗ってみたい?」

    Functional finance and modern monetary theory – Bill Mitchell – 2009/11/1
    http://bilbo.economicoutlook.net/blog/?p=5762

    Hyman Minsky was not a guiding light for MMT
    Wednesday, November 9, 2016
    http://bilbo.economicoutlook.net/blog/?p=34749

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