2021年11月30日火曜日

高橋聡 矢野次官の「バラマキ批判」寄稿は間違い!? 今の日本が財政破綻しないワケ - Monavis

矢野次官の「バラマキ批判」寄稿は間違い!? 今の日本が財政破綻しないワケ - Monavis

矢野次官の「バラマキ批判」寄稿は間違い!? 今の日本が財政破綻しないワケ - Monavis

矢野次官の「バラマキ批判」寄稿は間違い!? 今の日本が財政破綻しないワケ

衆院選が迫る中、2021年10月10日に文藝春秋11月号で矢野事務次官が「このままでは国家財政は破綻する」との寄稿をしました。現役の財務相事務次官の寄稿であり、世間では大きな波紋を呼びました。筆者も精読してみましたが、その内容は要約すると「トートロジー」「強弁」「情緒に訴える」という代物でした。

今回の記事では、矢野事務次官の寄稿内容とそれに対する反応、そしてなぜ矢野事務次官の寄稿が間違っていると言えるのか、そもそも今の日本に財政問題が存在しない理由について、わかりやすく解説します。

矢野事務次官の寄稿の内容とは

画像:Ned Snowman/Shutterstock

まず、矢野事務次官の寄稿内容を知るため、書き出しと書き終わりのポイントを引用します。

数十兆円もの大規模な経済対策が謳われ、一方では、財政収支黒字化の凍結が訴えられ、さらには消費税率の引き下げまでが提案されている。まるで国庫には、無尽蔵にお金があるかのような話ばかりが聞こえてきます(※1)

先ほどのタイタニック号の喩えでいえば、衝突するまでの距離はわからないけど、日本が氷山に向かって突進していることだけは確かなのです。この破滅的な衝突を避けるには、「不都合な真実」もきちんと直視し、先送りすることなく、最も賢明なやり方で対処していかなければなりません。そうしなければ、将来必ず、財政が破綻するか、大きな負担が国民にのしかかってきます(※1)

そして、矢野事務次官が主張したポイントを、筆者がまとめます。

  1. 国庫は無尽蔵ではない
  2. 日本国債が増加していけば、いつか破綻する
  3. ないし、破綻の代わりに大きな国民負担がのしかかる
  4. いつ破綻するかは誰にもわからない
  5. だから、財政規律を守り、財政健全化を行うべき

矢野事務次官の寄稿を精読すると、その主張は5に集約されます。つまり、"このまま日本国債が増加していけば破綻するのだから、財政規律を守り、財政健全化をしなければならない"が矢野事務次官の寄稿の要旨です。

矢野事務次官の寄稿の"奇妙な点"

この寄稿には奇妙な点があります。「財政規律が大事だ」「このままではタイタニック号だ」と煽るにもかかわらず、財政破綻という単語がほとんど出てきません。言及しているのは最後の数行のみでした。

そのほかは、「財政規律が必要だ。なぜなら、財政規律が必要だからだ」というトートロジーが繰り返されているだけという印象です。

くわえて、「いつか破綻する」と主張しながら、「いつ破綻するかはわからない」とするのも奇妙です。そして、「いつか」に対して言及はなく、10年後なのか50年後なのかすらわかりません。もしかしたら、1000年後、1万年後かもしれません。

何よりもっとも奇妙なのは、財政破綻についての寄稿のはずが、財政破綻の定義に一行たりとも触れられていないことです。

矢野事務次官の寄稿に対する反応は?

「このままでは国家財政は破綻する」という寄稿にいち早く反発したのは、自民党の高市早苗政調会長でした。寄稿に対し「大変失礼な言い方だ。基礎的な財政収支にこだわって、いま本当に困っている方を助けない、それから未来を担う子供たちに投資しない、これほどバカげた話はない」(※2)と述べています。

百田尚樹のチャンネルにも出演している有本香氏は、12日朝のラジオ放送で「官僚ののりをこえている。更迭すべき」と主張(※2)。また評論家の中野剛志氏は、矢野事務次官の寄稿には大きな問題をはらんでいると指摘します(※3)。

一方、経済同友会の桜田謙悟代表幹事(※4)や慶應義塾大学大学院准教授の小幡績氏(※5)は、この寄稿に(おおむね)賛成の立場を示しています。また、岸田首相は矢野事務次官の寄稿に対し「処分はまったく考えていない」と話しています(※6)。

各界の著名人や有識者、政治家などがそれぞれ反応しており、矢野事務次官の寄稿は多くの波紋を呼んでいます。

日本の財政破綻危機は本当か?

画像:vatolstikoff/Shutterstock

では、矢野事務次官はなぜ、財政破綻の危険性を訴えながら、財政破綻の定義について行も触れなかったのでしょうか? 筆者は、財政破綻の定義に触れてしまうと、矢野事務次官の論理が崩壊してしまうからだと考えます。

財政破綻には2種類のシナリオがあります。

  1. デフォルト(債務不履行)
  2. ハイパーインフレ

デフォルトとは国債の利払いや償還が滞ることです。ところが、日本国債でデフォルトは起きようがありません。なぜなら、日本国債はすべて円建てであり、政府には通貨発行権があるからです。簡単に言い換えると「円を刷れる政府が、円でお金を借りている」のです。

主流派、非主流派含めて多くの経済学者が「自国通貨建て国債はデフォルトしない」と認めています。それどころか、財務省も「日・米など先進国の自国通貨建て国債のデフォルトは考えられない」(※7)と公式に認めています。

「日本で財政破綻の心配はない」と主張すると、ギリシャを持ち出して反論されることがありますが、ギリシャと日本では条件が違います。

ギリシャには金融主権がありません。共通通貨のユーロを使用しており、自由に通貨を発行できないのです。ギリシャの国債は外貨建てと変わらず、自国通貨建て国債の日本とは大きく性質が異なります。ギリシャがデフォルト危機に陥ったのはユーロ建て(外貨建て)国債だったからです。

次に、日本の財政破綻問題でもう一つ話題になるのはハイパーインフレです。国債が増えすぎると、ある日突然、長期金利が高騰してハイパーインフレが襲ってくるといったストーリーが語られますが、この説も眉唾物です。

1995年に日本の普通国債は250兆円でしたが、現在では1000兆円にまで膨れ上がっています。ところが、長期金利は低迷して0.1%であり、各種数値を見てもデフレないしデフレギリギリの状態です。ハイパーインフレどころかデフレの心配が必要です。ハイパーインフレの心配はインフレになってからで遅くないでしょう。

このように、今の日本に財政破綻の心配はありませんが、財政は無限ではありません。政府は円を無限に刷れますが、モノの供給力には制約があります。モノが足りずにお金があふれるとインフレとなり、行き過ぎると過剰なインフレになります。したがって、政府は過剰なインフレにならないように財政を調整しなければなりません。

逆に、デフレ状態に近い現在はまだまだ財政拡大の余地があります。

まとめると、財政破綻には「デフォルト」「ハイパーインフレ」の2種類のシナリオがあり、デフォルトは自国通貨建て国債である限り起こりません。また、ハイパーインフレの心配をするくらいなら、デフレの心配をする方が今は現実的です。

矢野事務次官のバラマキ批判の間違い

画像:Salivanchuk Semen/Shutterstock

今の日本で財政破綻が考えられない以上、矢野事務次官の寄稿は「客観性」を欠き、政府の事務方としての役割を果たしているとは言えません。

「決定権のない公務員は、何をするべきかと言えば、公平無私に客観的に事実関係を政治家に説明し、判断を仰ぎ、適正に執行すること」と矢野事務次官は寄稿で述べます。なぜ政治家に客観的に説明するのか? 政治家が国民の代表だからです。

つまり、矢野事務次官は寄稿で国民に客観的に説明する責任を負っています。財政破綻の定義をせず、トートロジーで財政規律を語ることが客観的だとは思えません。

積極的に支出を増やす「積極財政」に問題がないとする潮流は、アメリカの主流派経済学者の間で広がっています。たとえば、主流派経済学の重鎮ローレンス・サマーズは積極財政を推奨し、FRB議長のジャネット・イエレンは積極財政が長期的にも有効だと強調しました(※8)。

日本の経済学はアメリカからの輸入学問です。昨今ではMMT(現代貨幣理論)が輸入されたのが記憶に新しいでしょう。アメリカでパラダイムシフトが発生し、その数年後、日本に輸入されます。矢野事務次官の均衡財政主義は、アメリカではすでに時代遅れなのです。

日本ではデフォルトもハイパーインフレも起きません。海外の経済学の知見からすると、矢野事務次官の主張はまったく客観的ではありません。

まとめ

矢野事務次官の寄稿は波紋を呼び、世論にも大きな影響を与えました。議論のきっかけになったことは喜ばしいことです。しかし、内容について首肯はできません。タイトルを「このままでは国家財政は破綻する」としながら、財政破綻の定義について一行も触れていないからです。

くわえて、なぜ破綻するかも書かれていません。デフォルトなのか、ハイパーインフレなのかすら触れられておらず、いつ破綻するのかについても曖昧です。

論理的に、今の日本に財政問題は存在していません。円を刷れる政府が円を借りているだけで、現状の各数値からハイパーインフレの心配もいらないからです。この単純な事実に多くの人が気がつけば、世論も大きく変化するかもしれません。

【画像・参考】
※1 文藝春秋11月号(10月10日発売)
※2 野財務次官『文藝春秋』発言に感情論の「安倍一派」、それでバカにされた相手は誰なのか – 新潮社フォーサイト
※3 矢野康治・財務次官「論文」、誰も指摘しない"あまりにもヤバい"問題の本質 – DIAMOND online
※4 財務次官の寄稿に「100%賛成」 バラマキ批判を擁護―同友会代表幹事 – 時事ドットコムニュース
※5 「このままでは国家財政破綻」論は1%だけ間違いだ – 東洋経済ONLINE
※6 岸田総理が"財政破綻論文"矢野次官について明言「処分は全く考えていません」 – 文春オンライン
※7 国格付け会社宛意見書要旨 – 財務省
※8 日本の「財政再建」を妨げているのは、矢野財務次官である – DIAMOND online
※Ned Snowman・vatolstikoff・Salivanchuk Semen・and4me/Shutterstock

世界デフレ地図 藤井聡さんのツイート

ロマごん太さんのツイート 「国の借金で大変だ」 この嘘がないと維新の政策は成り立ちません だから国の借金で国民を煽り「改革」と称して、身を切るだの削減だの公務員減らせだのが始まるわけです。 しかし オリックス/宮内義彦オーナーが、真実をついに語りました。

Democratizing Workさんのツイート @julie_battilana

2021年11月29日月曜日

オリックス・宮内義彦氏「国民すべてに現金支給を」「コロナ禍の今こそベーシックインカム」:【SDGs ACTION!】朝日新聞デジタル



宮内義彦氏【前編2】「ニューノーマル時代 日本経済はどう変わる?」2021年10月7日(木)放送分 日経CNBC「GINZA CROSING T...

https://youtu.be/oQLG_lLaB9k

4:06~ 

オリックス・宮内義彦氏「国民すべてに現金支給を」「コロナ禍の今こそベーシックインカム」:【SDGs ACTION!】朝日新聞デジタル

オリックス・宮内義彦氏「国民すべてに現金支給を」「コロナ禍の今こそベーシックインカム」

2021.04.20

オリックス・宮内義彦氏「国民すべてに現金支給を」「コロナ禍の今こそベーシックインカム」
撮影・朝日教之

オリックス/宮内義彦シニア・チェアマン



宮内 義彦(みやうち・よしひこ)
1935年、神戸市生まれ。関西学院大学商学部卒業。米ワシントン大学経営学部大学院でMBA(経営学修士)を取得後、日綿実業(現双日)に入社。64年、オリエント・リース(現オリックス)に入社し、80年に代表取締役社長・グループCEO、2000年に代表取締役会長・グループCEO、14年に経営から退き、シニア・チェアマンに。政府の総合規制改革会議議長などを務めた。

新型コロナウイルスの感染拡大で、職を失ったり、収入が減ったりして困窮する人たちがいる。オリックスの宮内義彦シニア・チェアマンは、明日の暮らしもままならない人を救うには、現状の「施し型」の社会保障ではなく、最低限の生活に必要なお金を国民すべてに支給する「ベーシックインカム」が必要だと主張する。政府の総合規制改革会議議長を務めるなど規制緩和を推進してきた宮内さんが、今なぜベーシックインカムを訴えるのか。コロナ禍で進む変化について、宮内さんに聞いた。(聞き手 編集部・大海英史)

撮影・朝日教之

社会の矛盾が一気に

――コロナ禍による社会の変化をどう見ていますか。

「新型コロナウイルスの感染拡大は世界中が予期せぬことでした。ワクチン接種などが進んでいずれ収まるとは思いますが、コロナ前に戻ることはなく、変化した社会がその後に続くでしょう」

「科学技術の進歩が加速する一方、社会が抱える矛盾も一気に噴き出しました。10年かかる変革が3年ほどで進んでいる感じです、良いことも悪いことも。悪化するところに手当てをしないと社会はどんどん悪くなってしまいます」

――そこで必要な政策とは何でしょうか。

「私は、ベーシックインカムという仕組みを知識として知ってはいましたが、遠い将来にあり得るかなと思っていた程度でした。しかし、コロナ禍の状況を見て、真剣に今考えるべきだと思いました」

「近年世界で広がる社会の分断は、貧富の差が大きくなっていることに原因があります。日本は北欧の福祉国家に次ぐくらいの社会民主主義的な福祉政策を築いてきた面があり、社会が混乱するほど悪くなってはいません。しかし、確実に以前より悪くなっている。このまま放っておけない状況です」

コロナ禍に対応できない福祉政策

コロナ禍で食料支給を受ける女性

Keywords

ベーシックインカム

収入や資産、雇用の状況に関係なく、政府がすべての国民に生活に必要な最低限のお金を支給する制度。収入などの審査をする必要がなく、年金や生活保護などを一本化して行政コストを減らせるという主張もある。一方、財政支出が増えすぎるという反論やばらまきという批判がある。社会実験した国の例はあるが、本格的に導入した国はない。

――現在の福祉政策では対応できませんか。

「今の福祉政策はコロナ禍のような有事の急速な動きに対応できません。コロナ禍では貧しい人がより貧しくなっていますが、生活がどうしようもなく苦しくなった人たちを救う力がないのです。生活保護はありますが、手続きをして審査を通るのに時間がかかり、受給までの間に生死に関わるような危険があります」

「ベーシックインカムは国民に分け隔てなく支給します。例えば、月7万円でも支給できれば、現行制度では保障が行き渡っていない人々ももれなく助けることができます。予期せぬ事態で困り、明日をも知れない人は時間がかかれば生活が持ちません。たとえば、非正規のパートタイムで暮らす人が雇い止めにあえば、明日から生活を維持するのが困難になります」

撮影・朝日教之

――所得が高い人にまで支給する必要はありますか。

「お金持ちにも支給するからばらまきだという批判がありますが、一定以上の所得がある人からは後で所得税を若干上げることで回収すればいいのです。不公正だとかばらまきだとか議論している間に、困窮している人はますます苦しくなります。社会から取り残されようとしている人にまず手当てをして、その後に富裕層からはしっかり徴収することを考えればいいのではないでしょうか」

生活保護の相談窓口

支給を受けるのは人間の当然の権利

――ベーシックインカムはコロナ禍だけの対策ですか。

「まずコロナ禍が収まるまで支給してはどうでしょう。そのうえで、コロナ対策と今までの福祉政策をすりあわせ、恒常的な制度にするかどうかを少し時間をかけて議論したらいいと思います」

「日本の福祉政策は上から目線の『施し型』です。生活保護には厳しい要件と審査があり、行政から認定されなければ給付を受けられません。支給に至るまでの時間と行政コストも大きいのです。一方、人間が生きる権利として胸を張ってもらえるのがベーシックインカムです。文明社会の分け前として受け取っていいという考え方です」

財政均衡論で「失われた30年」

撮影・朝日教之

――宮内さんは規制緩和を主張してこられました。ベーシックインカムのようなセーフティーネット(安全網)を訴えるのは驚きです。

「1990年代からさまざまな分野での規制改革を主張してきましたが、ベーシックインカムの議論とは別のテーマです。規制改革は供給サイド、つまり価値を生産する側の話であり、生産は既得権ではなく機会を平等・公平にして、かつそれぞれが効率よく動けるようにすることで競争原理が働き、その結果、社会全体の富の総量が上がると語ってきました。今も不必要な規制の改革を進めて、生産性を上げ、経済を活性化させるという考え方に変わりはありません」

「一方で、ベーシックインカムは分配の話です。生産側の役割は社会の富をたくさん創り出すことですが、どうもそこで得られた果実の分配がおかしなことになってきているのではないでしょうか。分配は政府、行政が100%権限を握っており、それがうまく機能していないのです」

――財源はどうするのでしょうか。

「みんなに給付する財源がない、という議論がありますが、国債を発行したらいいじゃないかと考えています。近年、経済学に現代貨幣理論(MMT)が出てきましたが、私はその考えは正しいと考えています。江戸時代の貨幣改鋳、戦前の高橋是清(蔵相)の金本位制離脱、積極財政は一種のMMTではないかと考えています」

撮影・朝日教之

Keywords

現代貨幣理論(MMT)

「独自の通貨を持つ国の政府は通貨を限度なく発行できるため、自国通貨建ての国債を発行して借金をしても、インフレにならなければ財政赤字は問題ではない」という考え方を中心とする理論。政府が借金を増やすことは財政破綻(はたん)を招きかねないとされてきたが、インフレ率が一定の水準に達するまでは財政支出をしても構わないと考える。「Modern Monetary Theory」の略。

「日本を『失われた30年』にしたのは、財政均衡論です。経済が伸びようとするには貨幣の量を増やさなければいけません。今、500兆円を超える国債を日銀が保有していますが、政府と日銀を一体の統合政府として見れば、返済に汲々とする必要はありません。むしろ国債を発行して給付し、市中のお金を多くすることで消費を増やせばいいのです」

撮影・朝日教之

メンバーシップ型雇用からジョブ型雇用へ

――コロナ禍では、テレワークなど働き方も変わりつつあります。

「働き方の変化は自然な流れです。これまで意味もなく会社にいるなど、日本の働き方には無駄なことが多すぎたのです」

「日本では、会社にずっと所属する『メンバーシップ型雇用』が多いので、外で通用する専門性を持たず、会社を離れたら何もできないという人生になってしまう人がたくさんいます」

「こうした日本企業の姿は、官僚の制度を組織に取り入れたことによるものです。官僚は法律に基づいて権限と責任を与えられ行政を執行します。法律に沿って、組織に必要な仕事をこなすことが責務ですので、メンバーシップ型雇用になじみます。ですので、法律からはみ出て何か新しいことを生み出そうというイノベーションは必要ありません」

「このような組織制度を大企業も取り入れてしまったのです。だから、グローバルに展開できるイノベーションを生み出せないので、国内では大企業でも、世界で戦えるような大・大企業にはなれていません」

コロナ禍でマスクをして通勤する会社員ら

――どう変えていくべきですか。

「メンバーシップ型は同じ会社で役職が上がっていくタテの動きです。会社と運命をともにするので、会社に何かあったりリストラがあったりすると行き場を失います」

「一方、自らの専門性を磨いていろいろな会社で働き、ヨコに動けるのが『ジョブ型雇用』です。会社を離れたら何も残らないという人生ではなく、専門性を生かして仕事をしていくことがこれからの働き方であり、企業のイノベーションにも必要な人材です」

撮影・朝日教之

「雇用の流動化が進めば、個人個人が専門性を持とうと考えます。さらに重要なのは、正規雇用と非正規雇用との差をなくすことです」

「今の法律では、企業は正社員として採用すれば定年まで雇用しないといけないため、正規雇用を少なくしたいと考え、代わりに非正規雇用の人を安く使っています。そうではなく、既得権となっている正規雇用の社員の解雇規定をつくることで雇用の流動化を図り、正規も非正規も同じように扱われるようにするべきなのです」

1人あたりGDPの豊かな社会に

――今後の日本に必要な政策は何でしょうか。

「GDPの総額を追い求めるのではなく、むしろ1人あたりGDPが豊かな社会にしていくべきだろうと。少子高齢化が避けられない中では、やはり欧州のような社会民主主義的な発想を充実させていく必要があるのではないかと思います。福祉政策を充実させ、差別をなくし、資本主義の欠けている点を修正する。もちろん自助も必要ですが、公助、共助をきちんとしていく必要があります」

撮影・朝日教之

この記事をシェア

国家公務員の人件費の推移(当初予算ペース)

アレックス・タバロック「炭素税に関するティム・ハーフォードのコラム」(2021年11月26日) — 経済学101

アレックス・タバロック「炭素税に関するティム・ハーフォードのコラム」(2021年11月26日) — 経済学101
Our Textbook - Marginal REVOLUTION
https://marginalrevolution.com/our-textbook

Our Textbook

Writing about economics for a large audience at Marginal Revolution taught us to get to the point quickly, use vivid examples, and avoid unnecessary math and other jargon. We brought these skills to our textbook, Modern Principles of Economics. From the first sentence,

The prisoners were dying of scurvy, typhoid fever, and smallpox, but nothing was killing them more than bad incentives.

to the last, no other textbook teaches the economic way of thinking so well or so memorably.

Modern Principles means modern content and modern delivery. We cover material that many other textbooks ignore, such as how managers should choose between piece rates and tournaments and how firms can increase their profits using clever forms of price discrimination such as bundling and tying. In macroeconomics, we have created a simple yet powerful AD-AS model that combines insights from New Keynesian and Real Business Cycle models. We have also created the Super Simple Solow model which for the first time makes the Solow model of economic growth accessible to principles of economics students. 

High-quality videos integrated directly into the textbook make Modern Principles a new kind of textbook, one born in the age of the internet. No other textbook has the quantity and quality of supplementary material available with Modern Principles. Whether you are looking to flip the classroom or just for the occasional video to grab the student's attention before the lecture, you will find what you need in Modern Principles. The superb course management system also makes it easy to assign videos and grade questions.

Teachers can request a free examination copy here.        

Here are just a few of our favorite videos available with Modern Principles. Enjoy!

Users of Modern Principles Love it!

"I can't tell you how many people I have met who took economics in college, and who hated it. If only they had started with Cowen and Tabarrok. Modern Principles is one of the few books that will immerse students into the elegance and beauty of our science, and which will create a lifelong love of economics."

-Lee E. Ohanian, Professor of Economics, UCLA and Senior Fellow, Hoover Institution, Stanford University.

"Cowen and Tabarrok's Modern Principles and the accompanying videos make for an unbeatable combination for both students and instructors. The intuition is clear and the examples—both contemporary and interesting—draw students into the material. This text is a fantastic tool for showing students how economics impacts their daily lives in choices great and small. My students come to class with questions, eager to discuss in more detail the concepts covered in the videos and text."

-Abigail Hall, Department of Economics,University of Tampa.

"I have tried multiple textbooks over the last ten years. None of them engage my students as well as Modern Principles by Cowen and Tabarrok. The writing is fresh and lively. The videos are clear and entertaining. It is a book that attracts students who will never take another economics course and excites economics majors."

-Randy T Simmons, Professor of Political Economy, Utah State University.

https://econ101.jp/%e3%82%a2%e3%83%ac%e3%83%83%e3%82%af%e3%82%b9%e3%83%bb%e3%82%bf%e3%83%90%e3%83%ad%e3%83%83%e3%82%af%e3%80%8c%e7%82%ad%e7%b4%a0%e7%a8%8e%e3%81%ab%e9%96%a2%e3%81%99%e3%82%8b%e3%83%86%e3%82%a3%e3%83%a0/

アレックス・タバロック「炭素税に関するティム・ハーフォードのコラム」(2021年11月26日)

[Alex Tabarrok, "Harford on a Carbon Tax," Marginal Revolution, November 26, 2021]

炭素税の長所について,ティム・ハーフォードがいい文章を書いてる

友達からもらったメッセージに,とある倫理問題で苦しんでると書いてあった.友達が言うには,家族に会いに長距離の旅行に出かけるかどうか思案してるんだけど,そのときに乗る飛行機が大老のカーボンフットプリントを出すのがどうにも心苦しいのだという.「いったい,この旅行は正当化できるんだろうか?」 そこで,こう提案した.そのカーボンフットプリントを算出してごらん(やってみたら,CO2 1トンだった).それから,架空の炭素税を想像してみるといい.その税を払わなくちゃいけないとしても,やっぱり旅行に出かける? そうじゃないなら,その旅行にはそれだけの値打ちがないってことだよ.

この助言では,その炭素税がどうあるべきかって問いが出てくる.CO2 1トン当たり5ポンドの炭素税がかかるとすると――全世界での炭素排出量の多くは,ここまでの税金はかかっていない――その帰省旅行の飛行機が出す1トンにかかる追加の税金は,とるに足らない額だ.もっと重くして50ポンドにすると,かなり気になる金額ではあるけれど,たぶん,決定的とまでは言えないだろう.(EU とイギリスの炭素排出量取引システムでは,最近まで,CO2 1トン当たり約 50ポンドだった.イギリスの価格はその後に跳ね上がっている.アメリカの民主党はアメリカの炭素税について検討中だ.) 炭素税が環境保護をとことん追究して CO2 1トン当たり500ポンドだったら,きっと,たいていの人たちよりもずっと長く,この友人は家族と会わずに過ごすことになるだろう.

自分の個人消費について,完全に架空の税を考えて意思決定するように助言するなんて,とほうもない話だってことは,ぼくもわかってる.ただ,この助言は,炭素税の狙いの核心部分をついてるんだよ.炭素税は,たんに行動を変えるインセンティブなだけじゃない.炭素税は,ぼくらがいまなによりも優先して変える必要に迫られてる行動に関する情報源なんだ.

まさにそのとおり.あるいは,タイラーとぼくが『現代経済学原理』で言ってるように,価格はインセンティブで包装されたシグナルなんだ.炭素に価格をつければ,システム内のあらゆる行為者たちがそのシグナルにしたがうインセンティブがはたらき,誰にも予想も計画もできないかたちで炭素使用量が減少する.

ティムはコラムをこう結んでる:

(…)炭素税によって,気候変動が本物のコストになって,これが変化する.炭素税は,サプライチェーンの全体にわたってシグナルを送り,炭素排出がより少ない選択肢へとあらゆる意思決定を小突く(「ナッジする」).炭素税込みの Tシャツの値が張りすぎると買い物客は考えるかもしれないけれど,その一方で,繊維工場は電力節約を模索するし,電力業者は太陽光発電に切り替えはじめる.バリューチェーンのあらゆる部分が,もっと環境にやさしくなる.

"There are three core statements at the heart of Modern Monetary Theory: 1) Monetary sovereign govern- ments face no purely financial budget constraints. 2) All economies, and all govern- ments, face real and ecological limits relating to what can be produced and consumed. 3) The government's financial deficit is everybody else's finan- cial surplus." Steven Hail REALPROGRESSIVES S citizens Activism, Education, Me dia and Policy -

"There are three core statements at the heart of Modern Monetary

Theory:

1) Monetary sovereign governments face no purely financial budget constraints.

2) All economies, and all governments, face real and ecological limits relating to what can be produced and consumed.

3) The government's financial deficit is everybody else's financial surplus."

Steven Hail

REALPROGRESSIVES



"Modern Monetary Theory "の中心には、3つの核となるステートメントがあります。

理論である。

1) 通貨主権政府は、純粋に財政的な予算の制約を受けない。

2)すべての経済、そしてすべての政府は、生産・消費できるものに関する現実的・生態学的な限界に直面している。

3) 政府の財政赤字は、他のすべての人の財政黒字である。"

スティーブン・ヘイル

リアルプログレッシブ


「近代通貨学の中心には、3つの核となる声明があります。

現代金融論の核心は次の3つの声明である。

理論

1)通貨主権国の政府は、純粋に財政的な問題に直面していない。

政府は純粋に財政的な

予算制約はない。

2)すべての経済、そしてすべての政府

すべての経済とすべての政府は、現実的かつ生態学的な

生産と消費の限界に直面している。

生産・消費できるものに関する現実的かつ生態学的な限界に直面している。

3) 政府の財政赤字は、他のすべての人の財政赤字である。

政府の財政赤字は、他のすべての人の財政黒字である。

cial surplus".

スティーブン・ヘイル

リアルプログレッシブ

S

市民活動、教育、メディア、政策-。



citizens Activism, Education, Me dia and Policy -


2021/11/18 キーン 取引可能なユニバーサルカーボンクレジット


Tradeable Universal Carbon Credits

Steve Keen

• Central Banks establish UCC accounts for all adult residents (>16)

Distribute UCCs daily-weekly on equal per capita basis

• Per capita allocation of UCCS set at national average

All goods have two prices: money price & carbon content price

Both prices must be paid for any purchase

Bottom 90-99% would exhaust their dollars long before their UCCS

The poorer you are, the more surplus UCCS you have

Top 1-10% would exhaust their UCCS long before their dollars

Would have to buy UCCS off the bottom 90-99% in order to purchase

Redistributes income/wealth directly from rich to poor: rich must buy from poor

Puts pressure on consumption to move away from high-carbon-content, rewards

producers for low-carbon-content


取引可能なユニバーサルカーボンクレジット
スティーブ・キーン
- 中央銀行がすべての成人(16歳以上)の居住者にUCC口座を設ける
UCCを毎日、毎週、一人当たり均等に分配する
- UCCSの一人当たりの割り当ては全国平均で設定される
すべての商品には2つの価格がある:貨幣価格と炭素含有量価格
購入する際には両方の価格を支払う必要がある
下位90~99%の人々は、UCCSよりもずっと前にドルを使い果たしてしまう
貧しい人ほど、余剰のUCCSを持っている
上位1~10%は、ドルよりもずっと前にUCCSを使い果たしてしまう
UCCSを購入するためには、下位90~99%からUCCSを買わなければならない。
富裕層から貧困層へと所得や富が直接再分配される:富裕層は貧困層から買わなければならない
消費者にはカーボン含有量の高いものからの脱却を迫り、生産者にはカーボン含有量の低いものへの報酬を与える。
カーボン含有量の少ない生産者に報酬を与える