2021年2月5日金曜日

Dumbo 1941


 





デネット

自由は進化する

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4 ダンボの魔法の羽根とポーリーナの災厄

 ウォルト・ディズニーの古典アニメ『ダンボ』は、巨大な耳を広げて空を飛べるようになった小さな

ゾウの物語だ。そしてそこには自信のない 〜〜それどころか怯えきった〜〜ダンボが、友人のカラスた

ちにたぶらかされて、崖から飛び降りて飛べることを証明させられるという場面がある。カラスの一羽

がいいことを思いつく。このカラスはダンポの目を盗んで、仲間から羽根を一枚ぬいて、それを重々し

くダンボにわたし、それが魔法の羽根だと宣言する。それを鼻でつかんでいる限り、ダンボは空を飛べ

るんだ! この場面は見事な手際のよさで演出されている。何も説明はない。ほんの子供でも、教わる

までもなく要点がわかる。つまりその羽根は実は魔法でもなんでもない。ただの補助で、ポジティブ

シンキングの力でダンボに思い切って飛び出させるための、精神的なよすがでしかないのだ。さて、こ

の場面の変奏版を想像してみよう。村の懐疑派役の別のカラスがいて、ここでの詐術を見破るだけの知

恵はあっても、それがもたらすょい結果を理解するほどは頭がよくなかったとしよう。そいつは、崖っ

ぷちで羽根をしっかりとつかんだまま飛ぼうとするダンボに、真実を告げようとする。「そのカラスを

止めて!」と子どもたちは叫ぶだろう。その小賢しいやつを抑えるんだ、ダンボをダメにしちゃう前

に!

 人によっては、わたしがそのカラスに見えるだろう。気をつけろ、こいつは悪気はなくてもえらく深

刻ないたずらをしようとしてるぞ! とかれらは警告する。こいつは、言わぬが花の話題をどうしても

話す気だぞ。「シーッ、黙ってろ。魔法が破れるだろう」。この勧告は、おとぎ話の世界に限らず、実生

活でもかなり適切なこともある。性的興奮と勃起の生物機構に関する事実まみれの論考は前戯の最中に

はふさわしからぬものだし、儀式と仮装の社会的効用についての考察は、お葬式の弔辞や結婚式のお祝

いでは歓迎されない。科学的な細部から目を背けたほうが賢明で、まさに知らぬが仏という場合はある。

これもまたその一例だろうか?

 ダンポの飛行は、飛べるとダンボが信じるかどうかにかかっている。これは必然的な真実じゃない。

もしダンボが鳥なら(あるいはもっと自信を持ったゾウなら!)その才能はそこまでヤワではなかった

だろう。でもダンボはしょせんダンボなので、とにかくありったけの精神的な支えが必要だし、科学的

な好奇心でその繊細な精神状態のじゃまをしちゃいけない。自由意志もそういうものだろうか? 自由

意志が持てるかどうかは、自分に自由意志があると信じられるかどうかにかかっている、という可能性

くらいはあるんじゃないか? そしてその可能性が少しでもあるなら、その信念を正当にせよ不当にせ

よ否定するかもしれないドクトリンを表明するのは避けたほうがいいんじゃないか? ギャグについて

いけないなら、少なくとも黙っているか、あるいは話題を変えるのが筋ってもんじゃないか? そう考

える人もまちがいなくいる。

 長年この問題に取り組んできて、あるバターンが見えてきた。わたしの根本的な視点は自然主義だ。

哲学的な探求は、自然科学的な探求を超越したものではなく、それに先立つものでもない。真実を求め

る自然科学の試みと手を組むものであり、哲学者のやるべき仕事は、衝突しがちな視点の見通しをよく

して宇宙についての統一的な見方に統合することだ。これはつまり、きちんと勝ち取られた科学的発見

や理論の成果を、哲学的理論構築の材料としてちゃんと受け入れるということであり、それにより科学

と哲学の両方についてまともな情報に基づく建設的な批評が行えるようにする、ということだ。自然主

27 第1章 自然の自由


以下デネット引用18


すると決定論者は言い返す、もしわれわれが自由意志をもっているなら、それはどこにあるのか。《もし「自由な」行為が全く新奇なもので、私つまり以前の私からではなく、無から出てきて、単に私に附け加わるだけのものであるとしたら、どうして私は、以前の私は、責任を負うことができるのか。賞讃や非難を受けるに足るだけ持続するという永続的な性格をどうして私がもつことができるのか。》かの不条理な非決定論者の説によって内的必然性の糸が引き抜かれるや否や、わが日々の数珠紐はばらばらな数珠玉となってころがり落ちてしまう。フラートン氏およびマックタガート氏は最近このような論証をひっさげて勇猛に非決定論者と戦った。


ウィリアムジェームズ

プラグマティズム#3









2 件のコメント:

  1. ポーリーナはエイズ研究者
    治療法開示のジレンマ例を考え出した

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  2. デネットはウィリアムジェームズを引用
    明らかにヒュームの側

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