2020年11月4日水曜日

お金持ちにかかる税金 ISF | PARIS FP

お金持ちにかかる税金 ISF | PARIS FP

お金持ちにかかる税金 ISF

1. ISF とは何か

フランスには裕福連帯税(ISF)というものが存在します。簡単な言葉で言い換えると、お金持ちだけにかかる金持ち税です。

ISFとは、フランスに居住する者で、法によって定められた課税資産評価額が1月1日時点で750,000ユーロ(2006年現在)を超える世帯に課税される税金です。ここで言う「世帯」というのは、結婚しているカップルのみならず、パックスしているカップル、そして単に同棲しているカップルまでもが「世帯」とみなされ、その資産を合計して課税評価額を出さなくてはなりません。また「資産」とは純資産のことを指すので、資産から負債を引いた額になります。

ISFの課税対象資産は、その人がフランスで暮らしているか、また海外で暮らしているか、によって変わってきます。フランス在住ならば、フランス国内、及び海外の資産が対象となり、海外在住の場合は、フランス国内に存在する資産のみが、課税対象資産になります。

750,000ユーロ以上の資産を持ち、このISFを払わなくてはならない世帯は2006年度、約45万世帯に上ります。ISFを払う世帯数は2005年度よりも更に6万世帯増えたことになります。

フランス国会予算委員会の報告によると、2006年度のISFによる税収は36億ユーロに及ぶ予定です。しかしながらISFの税収は国家税収の僅か1%を占めるに過ぎません。消費税からの国家収入(2005年度では1,453億ユーロ)や、所得税からの収入(同年542億ユーロ)に比べると、確かにISFの36億ユーロという数字は、さほど大きな数字ではないのかもしれません。

2. 計算方法の概要

まずはISFの税率を見てみましょう。

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ISFの税率は0.55~1.80%ですが、資産総額にいきなりこの税率を掛けて税額を算出するのではなく、750,000ユーロを越えた部分にのみ、これらの税率が適用されます。また、上の表の読み方は、「資産評価額750,000以上1,200,000ユーロ未満の部分に関しては0.55%、1,200,000以上2,380,000ユーロ未満の部分に関しては0.75%の税率を掛ける」というように、表の左側の金額に該当する部分ごとに計算していくことになります。文章で説明すると分かりづらいので、具体的に例を挙げてみましょう。

課税資産評価額1,500,000ユーロの人の税額計算は下のようになります。

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更に、計算された金額から家族控除(未成年の子供と身体障害者の家族一人につき150ユーロ)を引いたものが、実際に払うべき税金になります。

例えば、上の例で取り上げた家庭に未成年の子供が2人いたとすると、支払うべきISFの金額は
4,725 – (150 x 2) = 4,425 ユーロになります。

さてこれらの計算の元となる「課税資産の評価額」ですが、基本的には、その年の1月1日の市場価格を使います。しかし課税資産の種類によって、その評価額の計算方法には法で細かく定められています。

例えば、主たる住居の評価に対しては特例があります。その世帯が暮らしている不動産価値を評価する場合、不動産評価額から20%の控除が認められているのです。

簡単な例をあげてみましょう。仮に、居住している住居の資産評価額が700,000ユーロ、その他の資産評価額が150,000ユーロの世帯があったとします。主たる住居の評価額に関しては、その20%が控除されます。つまり、ISFの課税資産評価総額は
(700,000 x 80%) + 150,000 = 710,000ユーロとなり、この世帯にISFはかからないことが分かりますね。

職業上の資産、芸術品、著作権・工業所有権、非居住者の金融投資、老齢年金、障害保証金、は資産から控除されるが、森林に関してはその価値の4分の3だけが資産から控除される、などISFにおける資産評価については色々な決まりがあります。「自分の資産額からみるとどうやらISFを払わなくてはいけないようだが、資産評価額の計算方法に自信がない」という方には、税の専門家に相談されることをお勧めします。

3.ISFを巡る議論

ISFを支払わなくてはならない世帯数はここ数年で急激に伸びています。1997年(178,899世帯)から比べると、その数は2006年までに約1.5倍に跳ね上がったことになります。反対に、ISFを払った人たちの間でのISF税額の平均値は下がりつつあります。(SENAT [フランスの上院] によると1997年から2003年の間に9.1%の下落)

ここから読み取れることは、どういうことでしょうか?まずは、1997年前後からの不動産価格の高騰により資産価値が上がり、ISFを新たに払うことになった人たちが増えてきた、という事実があります。しかしながら、その人たちの資産評価総額は750,000ユーロ(ISFがかかり始める資産評価額の数字 [2006年度] )を僅かに上回る程度がほとんどです。先程お話したように、ISFは750,000を越えた部分にのみ掛かります。つまり750,000ユーロを僅かに超える資産しかもっていない場合、支払うISF税額は非常に小額になります。ISFを支払う人数は増えましたが、新たに加わった人たちが払っている税額はとても小額。結果として全体のISF税額平均値を下げている、という訳です。このように不動産価格の高騰の為だけにISFを支払い始める人が多いので、ISFは単なる『新たな不動産税』なのではないか、という批判もあります。

別の議論として、「財産にかかる税金というのであれば、既に相続税が存在するではないか。なぜ同じ財産に関して何度も税金を徴収するのか」という意見もあります。

更に他国を例に挙げてのISF批判もあります。オランダ(2001年に財産税を廃止)、ドイツ、デンマーク(どちらも1997年に廃止)、オーストリア(1994年に廃止)、アイルランド(1974年に廃止)そして日本(1950年に廃止)と、この種の税を廃止する国が多くあるにも関わらず、フランスはなぜ相変わらずISFを続けているのか、というのです。

また財産税を持つ国々の間でもフランスのISFの税率はかなり高い、ということも問題にされています。先程述べたとおり、ISFの税率は0.55~1.80%。リュクセンブルグでは一律0.5%、社会主義のスウェーデンでさえ0.5~1%です。

しかしながら「富の分配」という観点からISFの存続を望む人たちもたくさんいるのも事実です。


ISFは750,000ユーロという数字を超えた時点から掛かりますが、「財産評価額が750,000ユーロを少し超えてしまった」程度だと、あまり負担がないので心配する必要は特にありません。例えば、子供が一人いる家庭の財産評価総額が800,000ユーロの場合、支払うべきISF税額は年に僅か125ユーロです。

ただ数百万ユーロ以上を持つミリオネアにとっては、毎年かなりの負担額となってしまうので、彼らのISF対策への関心は非常に高いです。お金持ちも楽ではないですね。

フランスのビアジェ

ビアジェとは高齢者に利用される不動産の売買契約の一つです。高齢者がこの制度を使って所有不動産を売却すると、買い主は初期費用 (le bouquet) に加え、売り手の死亡時まで定期支払金 (la rente) を受け取ることができます。しかも売り手はその不動産物件に暮らし続けることも出来るのです。(別のところで暮らしていてもビアジェは利用できます)

つまりビアジェによって、売り手である高齢者は、生活資金やゆとりのある老後を送る為の定期的な収入を、終身で受け取ることができるのです。買い手にとってのメリットは何でしょうか?売り手が死亡すると定期支払金を払う必要がなくなるので、もしかすると住宅を通常より低い価格で取得できることになるかもしれない、という仕組みです。

初期費用、そして定期支払金の金額はどのように決められるのでしょうか?まずは通常の不動産売買と同様、不動産価格の鑑定から始まります。そして、もし売り手がその物件で暮らし続けるのであれば、売り手の年齢から計算された平均余命を元に、価格を割り引きます。

こうしてはじき出された価格を元に、初期費用と定期支払金の額を、売り手、買い手との間で自由に交渉できることになっています。

ビアジェは夫婦で利用することも出来ます。初期費用をなくして定期支払金を増やすことも選択できますし、定期支払金を毎月の支払いにするのか、四半期に一回にするのか、なども取り決めることができます。

このように一口にビアジェといっても、その中で条件を色々変えることは可能です。その条件により売り手と買い手が自由に金額を設定する訳です。ただし、「自由に設定」といっても、売り手の年齢、売り手が夫婦なのか、そのまま暮らし続けるのかどうか、初期費用ありなのかなしなのか、などに基づき、金融のプロが使っている一覧表に基づいて計算することもできます。

高齢者の居住用不動産の売買により、所有権は手放さなくてはならないものの、当該不動産に居住しながら終身定期金を受け取ることができるビアジェ。自宅という財産は持っているけれども、貯蓄はほとんどないし、所得も少ないという高齢者にとっては便利なシステムです。ただし、家族に不動産を継承させたい、または買い主が売り主の死亡を待ち望みしていて人道的に問題があるように感じる、などの場合にはビアジェは使わないほうがいいでしょう。

ビアジェの契約件数は年に約5000件にのぼり、不動産取引全体の1%を占めます。フランスも高齢化が進みつつあり、60歳以上の人口は2020年には25%に達する見込みです。今後、高齢化の波に乗って、ビアジェの売買件数は更に増加するであろうと言われています。

日本のリバース・モーゲージ

自宅を所有しているが現金の持ち合わせがなく、あまり収入のない高齢者が、定期的な収入を終身で受けられるようになる、というビアジェですが、日本にも似たような制度があります。それがリバース・モーゲージです。

高齢者の持ち家を担保として、自治体や金融機関から毎月一定額の融資を受け、死亡時には担保物件を売却するなどして、融資を返済するという仕組みになっています。1981年に東京都武蔵野市が日本で初めてこのシステムを導入しました。そして2002年12月に厚生労働省が全国規模で「長期生活支援資金貸付」(リバース・モーゲージ)を導入し、現在では46都道府県の社会福祉協議会で事業が展開されています。2005年9月末では貸付決定件数340件、貸付決定実績のある都道府県数も38に上る程、この制度が使われるようになりました。毎月受け取れる融資額は30万円程度までですが、平均値は月10万円前後だそうです。多くの場合、一軒家を所有する高齢者が対象です。(つまりマンション所有の場合、このシステムは利用できないことがほとんどです)

こういった公的機関のリバース・モーゲージは、誰もが利用できるわけではなく、低所得の高齢者のみを対象としている場合がほとんどです。厚生労働省は福祉政策の一環の為にリバース・モーゲージを提案しているからです。

では中・高所得者層が、より豊かなリタイアメントを送る為にリバース・モーゲージを利用するにはどうしたらいいのでしょうか?その場合は、公的機関ではなく、銀行や、民間企業が提供するリバース・モーゲージを利用するといいでしょう。銀行では現在、中央三井信託銀行、東京スター銀行、殖産銀行(山形)の三行が扱っています。民間企業では、旭化成ホームズやトヨタホームという住宅各社が実施しています。

民間機関では、ある程度豊かな高齢者を対象としているのが分かります。例えば、担保不動産の土地評価額。公的機関では担保不動産の土地評価額が最低1500万円以上(福岡県では1000万円以上)であることを条件としていますが、民間企業である中央三井信託銀行を例に挙げてみると、担保不動産の土地評価額を原則4000万円以上としています。

フランスのビアジェと日本のリバース・モーゲージの違い

フランスのビアジェと日本のリバース・モーゲージ。どちらも自宅という財産を元に定期金を受け取ることができ、似ているようですが決定的な違いがあります。それは日本のリバース・モーゲージがあくまでも不動産を担保とする融資であるのに対し、ビアジェは不動産販売であるということです。よってリバース・モーゲージで月々受け取る金額は負債であり、ビアジェでの月々の受け取りは所得となるのです。

リバース・モーゲージを利用した高齢者が非常に長生きをして、月々受け取った金額(融資)の総額が、担保でカバーできる貸付限度額に達してしまうと、そこで融資は打ち切りになってしまいます(いわゆる長生きリスク)。それでも当該物件で死ぬまで暮らし続けることは可能ですが、毎月の融資を受けることはできなくなります。ビアジェの場合、どんなに長生きしても定期支払金は死亡時まで受け取ることができます。

公式記録史上最も長生きした女性、ジャンヌ・ルイーズ・カルマンは90歳の時、ビアジェでアパルトマンを売却しました。契約時、当該不動産は10年分の定期支払金の価値があるとして取引されましたが、結局ジャンヌ・ルイーズ・カルマンは、その契約から32年後、122歳でこの世を去りました。買い手にとっては最悪の投資となってしまいました。しかも当時47歳だった買い手は77歳で他界したので、残された遺族がジャンヌ・ルイーズ・カルマンに定期金を支払い続けたのです。もちろんこれは特殊なケースですが、いつまで定期金を払い続けることになるか分からないビアジェでは、こういうことが起こり得るのです。

日本のリバース・モーゲージには上記の「長生きリスク」の他に「金利上昇リスク」と「不動産価格下落リスク」があります。まずは「金利上昇リスク」から見てみましょう。市場金利が上がると融資利率も上がります。リバース・モーゲージは融資ですので、融資にかかる利息が上昇した分、定期金の打ち切り時期が早まってしまうのです。「不動産価格下落リスク」はその名の通り、不動産市場が下落することによって、担保である物件の価値も下がり、予定より早く担保切れになってしまうという訳です。ビアジェの場合、「長生きリスク」、「金利上昇リスク」、「不動産価格下落リスク」は全て買い手が負うことになっているので、売り手である高齢者はそれらのリスクに関係なく、生涯にわたって定期金を受け取れます。

日本、フランス共に、年金は減少傾向にありますが、医療費・介護費用は増加し続けるなど、高齢者への負担は今後も増える一方です。高齢者の資産活用の選択肢の1つであるビアジェとリバース・モーゲージ。これらの制度が存在する、ということを頭の片隅に留めておくと将来役に立つことがあるかもしれませんね。

フランスには節税効果のある株投資がいくつか用意されています。今日はその中からFCPIと FIP、2種類のファンドについてご説明したいと思います。

FCPI (FONDS COMMUNS DE PLACEMENT DANS L'INNOVATION)

日本語に訳すと『技術革新投資ファンド』です。このファンドは上場していないハイテク関連など技術革新を進める会社の株で構成されたもので、ファンドを購入した年の所得税に対して減税効果があります。

FCPI は1997年に創設されました。このファンドにはどのような会社の株が含まれるのでしょうか?「技術革新を進める会社」と言っても、ハイテク企業ならどれでも投資対象になる、という訳ではありません。ここでOSEOという公的機関が登場します。OSEOは、経済の発展につながるような革新的な技術・商品開発を行っている会社に対して適格マーク (entreprise innovante) を与えています。その適格マークを保持する会社が『技術革新をしている会社』とみなされるのです。このファンドの60%はOSEOによって認められた、技術革新をしている会社の株式に投資されます。また、その60%の中の3分の2は非上場の会社に、3分の1は上場会社に投資されます。(以前はファンドの60%丸まる非上場の会社に投資しなければなりませんでしたが、2005年から規制が変わりました)このようにファンドの60%は技術革新を進める会社に投資されますが、残りの40%に対しては特に決まりがないので、ファンド・マネージャーが自由に株・債券などに投資できるような仕組みになっています。

< FCPI の節税効果 >

このファンドを購入すると、その購入代金(ファンドの売買手数料も含む)の25%の金額を、所得税額から控除することが出来ます。例えばFCPI を10,000ユーロで購入した場合、そのファンドを購入した年度に課せられる所得税額から2,500ユーロが税額控除されます。かなり思い切った大きな減税ですよね。この税額控除の金額には上限があります。独身世帯に対しては3,000ユーロ、カップル(夫婦・PACS)に対しては6,000ユーロとなっています。つまり、独身の人はFCPI に12,000ユーロ、カップルは24,000ユーロ投資すると、所得税額からそれぞれ3,000ユーロ、6,000ユーロが減額され、この減税制度を最大限に利用することが出来るという訳です。

税額控除は「そのファンドを購入した年度の所得税」にのみ適応されます。もし毎年毎年FCPI を購入すれば、毎年毎年、この所得税の税額控除を利用することが出来るのです。ちなみにこの制度には期限があり、2010年12月31日までのFCPIの購入が、条件となります。

税額控除の他にも、特典があります。FCPI を5年以上保有し売却した際に、運用益が出た場合、その運用益(株式譲渡所得)には課税されないのです!

FIP (FONDS D'INVESTISSEMENT DE PROXIMITE)

今度はFIP について見ていきましょう。直訳すると『近郊地域への投資ファンド』となります。2003年に創設されたこのFIP に該当するファンドは、主に地域に根付いた中小企業の株に投資しています。一口に中小企業と言っても規模も収益率も様々です。このファンドの投資対象になる中小企業は、ある一定の条件を満たしていなければなりません。その条件とは、法人税を支払っていること、従業員が250人以下であること、売り上げが5000万ユーロ未満であること、総資産額が4300万ユーロ未満であること、などです。このファンドの60%が、以上の条件を満たしたある一定地域内の中小企業の株式に投資されます。さらに特筆すべきはファンドの10%以上は、設立されて5年以内しか経っていない新会社に投資されなくてはならない、ということでしょう。

< FIPの節税効果 >

FCPI と全く同じ節税効果を得られます。しかもFCPI とFIP は併用することができるのです。この2種類のファンドを最大限の利用枠で購入すると、所得税額から差し引かれる減税額は独身世帯にとっては6,000ユーロ、カップルの場合12,000ユーロにも上ります!非常に大きな節税効果ですね。

FCPI / FIP に投資する際のアドバイス

この2つのファンドの素晴らしい節税効果を見ると、今すぐにでも投資したい気分になりますが、ちょっと待ってください!投資する前に、きちんとファンドの欠点も抑えておきましょう。

一つ目の弱点は、これらのファンドに投資したお金はしばらくの間、動かせない、ということです。ファンドを購入後5年以内に売却すると、ファンド購入時、所得税から税額控除された金額を、税務署に払い戻さなくてはなりません。(購入者が死亡、身体に障害を負う、または失業した場合に限り、5年以内でファンドを売却しても、税額控除の返却義務はありません)基本的にこれらのファンドは売買で利益を得るという性格のファンドではないので、購入したらファンドの償還日まで保有し続けるのが望ましいです。ファンドの信託期間は8~10年に設定しているところがほとんどです。長期投資を前提に、最低でも8年以上は使う予定のないお金で投資するのが好ましいでしょう。

そしてこれが一番大切なポイントですが、これらのファンドの60%を占める中小企業の株は非常にリスクが高く、投資している会社が潰れてしまい、投資した金額が全てなくなってしまうこともあり得ます。リスクの高い投資である事を充分理解しておく必要があります。

特にFCPIにはハイテク株が多く含まれている為、リスクは非常に高く、Ernst & Youngが出したレポート「1997年から2004年のFCPI のパフォーマンス」に依ると、FCPI に当てはまる143のファンドの平均利益率は、節税効果を除くとマイナスだったそうです。せっかく投資額の25%分が減税されても、肝心のその投資の利益率がマイナスではプラス・マイナス0 どころか、総合的に見て大きくマイナスになってしまうことも充分にあり得るのです。

このようにリスクが高いファンドなので、大きな金額でまとめて1回のみFCPI を購入するよりも、金額を少なめに何年かに分けて購入していった方が、リスクは遥かに分散されます。また毎年、同じ投資会社のFCPI ファンドを購入するのではなく、違う会社のファンドを購入することによって、更にリスク分散効果を高めることもできます。

FCPI / FIP は「8年以上使う予定のないお金」そして「なくなってもいいお金」がある方にとっては、節税対策としてとても魅力的な商品です。しかしそのメリットばかりに気を取られて、投資し過ぎないように気を付けましょう。あくまでも分散投資の一環として、自己金融資産の5%程度に抑えておく位がちょうどいいと言えるのではないでしょうか。

寄付金控除とは、特定の団体に支出した寄付金がある場合に受けられる所得税に関する控除です。今回はフランスの寄付金控除は、どこが日本と違うのか、また寄付金控除の本来の意義について見ていきましょう。

日本の寄付金控除

ご存知の方も多いと思いますが、ここで一度、日本の寄付金控除についておさらいしてみましょう。特定の団体に寄付金を支出した場合、次のように計算される金額を控除できます。

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このようにして算出された寄付金控除額を、総所得金額などから差し引いた金額が、その人の課税所得金額となります。寄付金控除によって、実際よりも低い所得額を申告することになり、従って課せられる所得税の額も低くなる、という仕組みになっています。

年末調整では控除できないので、所轄税務署へ確定申告を行うことになります。その際に、寄付をした機関が発行した領収書を添付しなければなりません。

フランスの寄付金控除

まずは、どのような団体が特定の団体とみなされるのか、について見ていきましょう。フランスの税務署は、寄付金控除を認める団体を大きく2つのカテゴリーに分けています。1つ目は「困っている人々を助ける団体」。貧しい人たちに料理を提供している『心のレストラン』や福祉事業や慈善事業などに営む『救世軍』などがそれに当たります。2つ目のカテゴリーは「公共社会に役立つと認められた団体」です。『フランス財団』や『カリタスフランス』などが、このカテゴリーに入ります。

寄付をした団体がどのカテゴリーに該当するかによって、控除額の算出方法が変わってきます。1つ目のカテゴリー「困っている人々を助ける団体」に寄付した場合、470ユーロ(2006年時点の数字)以下の寄付金については、その額の75%が控除額になります。470ユーロ(2006年時点の数字)を超える金額については、2つ目のカテゴリー「公共社会に役立つと認められた団体」に対する寄付金と合わせて計算されます。

それでは、「困っている人々を助ける団体」に寄付した470ユーロ(2006年時点の数字)を超える金額、及び「公共社会に役立つと認められた団体」に寄付したお金に関する控除額はどのように計算するのでしょうか?先ほどのケースよりも、控除できる金額の割合が減り、寄付金の総額の66%が控除額となります。ただし、寄付金控除は課税所得金額の20%相当額までとなっています。20%を超えた金額は、翌年度の寄付金控除の計算のときに使えばいいのです。フランスでは課税所得金額の20%相当を超えた寄付金に関しては、翌年以降5年間に渡り繰り越すことができます。

このようにして算出された寄付金控除額は、支払うべき所得税から直接控除されます。これが日本の寄付金控除との決定的な違いですね。日本の寄付金控除は総所得金額から差し引かれる金額のことを表しました。フランスでは所得税額から直接引かれるのです。専門的な言葉で表すと、日本の寄付金控除が『所得控除』に当たるのに対して、フランスの寄付金控除は『税額控除』に当たるのです。

一つ例を挙げてみましょう。仮に、本来なら3,000ユーロの所得税を払うはずの人が、フランス財団に1,000ユーロ寄付していたとします。フランス財団は2つ目のカテゴリー「公共社会に役立つと認められた団体」に入りますので、支払った寄付金の66%、つまり660ユーロが控除額になります。寄付金控除の適用で、支払うべき所得税は3,000-660=2,340ユーロに下がります。

日本とフランスの寄付金控除の違いは、まず『所得控除』か『税額控除』か、ということ。そして一定額を超えた寄付金について、フランスでは翌年以降の寄付金控除の計算に持ち越せるということも、日本と大きく違う点ですね。

寄付金控除の意義

所得税から一定額が控除されるので、一瞬、得をした気分になりますが、実際には、支払った寄付金の一部の金額が税金から控除されるだけですから、自分のお財布からお金が出て行くことには変わりありません。しかし、この寄付金控除には大きな意味があるのです。先ほど取り上げた、フランス財団に1,000ユーロ支払った人の例に戻ります。この人は本来なら3,000ユーロの所得税を払うはずでした。その3,000ユーロはどのように使われるのでしょうか ?それはフランス政府が決めることであって、具体的にどのように使われているのかは、税金を払っている側の人には分かりません。ところがこの制度を利用することで、この人は自分の所得税から660ユーロが確実にフランス財団に渡された、ということが分かるのです。

つまり、寄付金控除を利用することによって、私たち自身が税金の一部をどう使うのかを決めることができる、という訳です。津波や地震などの自然災害の被害者の方々や、フランスの貧困層の人たちに、手を差し伸べる行為を後押ししてくれる政策とも言えます。自分の税金の一部を、困っている人たちへの寄付にまわすことができる。寄付金控除とは、そういう制度なのです。



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