2021年11月4日木曜日

矢野論文への反論まとめ


 「バラマキ政策で財政破綻はウソ」財務次官が勘違いしている日本経済の"本当の危機" 経営危機の業界を救うことが最優先 (2ページ目) | PRESIDENT Online
2021/10/29 飯田泰之
https://president.jp/articles/-/51325?page=2

《なぜか「景気の回復こそが財政を改善させる」という論点をさけている

…

矢野氏は経済成長率が金利よりも高くなっても、プライマリバランスが赤字であると「財政は際限なく悪化してしまう」としているが、これは誤りである。
債務残高対GDP比の変化
≒(金利-成長率)×債務残高対GDP比-プライマリバランス対GDP比
となる。債務残高対GDP比が加速度的に増加していく(発散する)か否かは右辺第一項の「金利-成長率」のみに依存する。
プライマリバランス対GDP比が赤字であろうと黒字であろうと、それが一定の範囲に収まっているならば、債務残高対GDP比を加速度的に変化させることはない。ちなみにこの関係は、日本では、ドーマー条件と呼ばれる。
矢野次官の表現を引用すると、債務残高対GDP比と金利・経済成長率の関係は「ケインズ学派かマネタリストかとか、あるいは近代経済学かマルクス経済学かとか、そういった経済理論の立ち位置や考え方の違いによって評価が変わるものではなく、いわば算術計算(加減乗除)の結果が一つでしかないのと同じで、答えは一つであり異論の余地」はない。
もっとも、債務残高対GDP比が財政破綻の指標として適切か否かには十分異論がありえるが。余談であるが、同記事ではこの引用部分以外でも同様の大げさな表現が多く、装飾過多のきらいがある。》



日本の「財政再建」を妨げているのは、矢野財務次官である


2021/11/04 中野剛志
https://diamond.jp/articles/-/286266?page=3

《日本の「国債残高/GDP」は1を大幅に上回る。したがって、仮に分子の「国債残高」と分母の「GDP」とが同じ額だけ増えたとしたら、「国債残高/GDP」は縮小することになる。
 さて、例えば、現状におおむね即して、日本のGDPが500兆円で、日本政府は1000兆円の国債残高を抱えているとしよう。そして、金利も含む単年度の財政赤字が50兆円あるとする。この場合、年度末の国債残高/GDPは210%(=(1000+50)/500)である。
 ここで、日本政府が20兆円の国債を発行して、20兆円の追加財政支出(非移転支出)を行ったら、どうなるか。
 すると、確かに、分子の国債残高は、1070兆円(=1000+50+20)に増加する。金利については、現在、ほぼゼロであり、しかも中央銀行の操作によって抑制できるため、新たに発行する20兆円の国債にかかる金利は無視しよう。
 だが、同時に、分母のGDPもまた、少なくとも20兆円は増えるのである。「GDP=消費+投資+政府支出+純輸出」なのだから、当然であろう。
 その結果、「国債残高/GDP」は、210%から206%(=1070/(500+20))へと低下する。財政出動が民間の投資や消費を増やす効果を無視したとしても、低下するのだ。
 しかも、この数字は、財政出動額を増やすほど低下することが、簡単に確認できるだろう。
 つまり、よほどの高金利になるか、あるいは政府支出の増加によって投資や純輸出などが減少するようなことでもない限り、財政出動によって日本の「国債残高/GDP」は縮小し、財政はより健全化するのである。》

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