【動画配信】セイラー教授(上)コロナ禍、気候変動に使える最先端の「ナッジ」とは
日経ビジネスLIVEでは、10月5~7日の3日間にわたり「The Future of Management 2030:資本主義の再構築とイノベーション再興」と題したオンラインセミナー(ウェビナー)を開催。ノーベル賞経済学者や世界的に著名な経営学者ら世界中の経済・経営学の英知を結集して、2030年の企業とマネジメントのあるべき姿について意見を交わしました。
10月5日の特別トークセッション「最終決定版!『ナッジ』の行動経済学」では、2017年にノーベル賞経済学賞を受賞した、米シカゴ大学経営大学院のリチャード・セイラー教授と経済産業研究所コンサルティングフェローの小林庸平氏が登壇。仕組みや情報の見せ方などで、人の行動をうまく行く方向にそっと促す「ナッジ」について対談しました。セイラー氏は、このナッジの考えを初めて広く世に出した原著を大幅に改訂した最終決定版『Nudge: THE FINAL EDITION』を2021年8月に世界で上梓(じょうし)したばかり。セイラー教授は、ナッジで実現可能な行動変容とその限界について、書道家相田みつを氏の作品に対するへの深い共感を交えながら語りました。

今回は2021年10月5日に開催されたセイラー氏のウェビナーの前半を、テキストで配信します。2回に渡り、コロナ禍や気候変動など最新の社会課題に対し、ナッジをどのように生かせるのか探っていきます。
※日経ビジネスLIVEで実施したウェビナー(2021年10月5日開催)の再配信です。下の画像をクリックすると、同時通訳付きでウェビナーの動画をお楽しみいただけます。速度調節も可能です。
広野彩子(日経ビジネス副編集長、以下広野):シリーズ「The Future of Management 2030」第一弾は2017年に行動経済学「ナッジ」の研究によりノーベル経済学賞を受賞された、米シカゴ大学のリチャード・セイラー教授にご登壇いただきます。解説は、地方自治体の施策にナッジを応用する活動に取り組んでいる、経済産業研究所コンサルティングフェローの小林庸平さんです。
早速ですが小林さん、セイラー教授がノーベル経済学賞を受賞された「ナッジ」とは、そもそもどのようなものでしょうか?
小林庸平(経済産業研究所コンサルティングフェロー、以下小林氏):ナッジというのは、直訳すると「肘で軽くつつく」、「そっと後押しする」という意味です。セイラー教授は著書で「経済的なインセンティブを大きく変えることなく、予測可能な形で人の行動変容を促すこと」と定義しています。
具体的には、電力契約時の再生可能エネルギーの設定が挙げられます。一つ目は、契約者が電力を選ぶ際に再生可能エネルギーに「オプトイン」する形式、つまり何も選択しなかった場合はグリーンエネルギーが使われない設定です。もう一つは「オプトアウト」、つまり特に意思決定をしなければ再生可能エネルギーがデフォルト(初期設定)で選択されるパターンです。
どちらでも、利用者はチェックを外したり付けたりすることで自由に電力を選べますが、デフォルト(初期設定)を変えることで再生可能エネルギーの選択の割合が変わってきます。
セイラー教授が尊敬する日本人は?
「オプトイン」の場合は7%しか再生可能エネルギーを選択しないのに対し、「オプトアウト」(デフォルトが再生可能エネルギー)の場合は、7割近い人が選ぶそうです。セイラー教授の最新の著書では、このようなナッジによって人の行動が変わる事例がたくさん紹介されています。
広野:では、ここからはクイズに移ります。視聴者の皆さまは回答を投票してください。
実はセイラー教授は、とある日本人を大変尊敬されています。それは一体、誰でしょうか?
(A)黒澤明 (B) 相田みつを (C)村上春樹 (D)大谷翔平

0 件のコメント:
コメントを投稿