政府支出と財政赤字 : マルコフ・スイッチング・モデルによる政府支出関数の推定
著者北坂 真一
雑誌名經濟學論叢巻60号1ページ81-100
発行年2008-07-20
権利同志社大學經濟學會URL http://doi.org/10.14988/pa.2017.0000012346
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[レジーム1]
1.0
0.5
1.0
[レジーム2]
0.5
..….............
1990
1985
96 (96)
1985
1990
1995
1995
2000
2000
第6図 各レジームの推移 (2) モデルBの場合
第60巻 第1号
年
ルAから計算した第5図とモデルBから計算した第6図はよく似ている. そ
の傾向をみると,1985年前後はレジーム1の確率が高いものの, その後1980
年代後半から1992年にかけては一時期を除き総じてレジーム2の確率が高い.
その後, 1993年に大きなレジーム・シフトが観察され,それ以降はそれ以
前とは反対に, 総じてレジーム1が支配的となっていることが分かる. ただし,
1993 年以降のおよそ10年間の中で, 1996年前後と1999年の2度だけ一時的
にレジーム2が支配的となっている.
以上のような計測結果は,次のようにまとめることができる. わが国では
1980年代後半から1992年まで, 政府支出は景気動向に強く反応した. すな
わち,景気が悪いときには政府支出を増やし, 景気が良ければ抑制するとい
う動きである.この間,もう1つの要因である財政赤字はほとんど考慮され
ていない可能性が高い. その 1993
は,政府支出の景気に対する強
い反循環的な動きは弱まった. 他方, 財政赤字については統計的に不確定だが,
年
方向としては財政赤字の増加が政府支出を抑制するように作用した可能性が
ある.

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