2022年12月21日水曜日

中野剛志「利上げは、インフレ対策としては、むしろ逆効果ですらある可能性もある。

制することは不可能である。その代わりに、サプライチェーンの寸断や労働力不足が要請

するのは、中期的に重要な財の供給を増やすための適切な産業政策である。・・・その間、政

策担当者は、社会的に望ましい方法でインフレを抑制する代わりの行動を真剣に模索すべ

きである。それには、戦略的価格統制、重要市場における投機の抑制、社会的弱者に対す

る所得支援や債務免除が含まれる。

コストプッシュ・インフレ対策としては利上げは逆効果

さらに言えば、利上げは、インフレ対策としては、むしろ逆効果ですらある可能性もある。

例えば、利上げによって借入れコストが上昇すると、価格支配力の強い独占企業であれば、利

益を確保しようとして、かえって価格を吊り上げる可能性がある。このように、利上げには、

物価を押し下げる作用だけではなく、押し上げる作用も働くので、インフレ対策としての有効

性すら怪しい。実際、インフレに対する金利変化の影響は小さいとする実証研究は多くあり、

一%の金利の変化は物価水準を〇・二~〇・三%変化させるに過ぎないとする研究もある。だ

とすると、インフレを実効的に抑制するには、極端な利上げをせざるを得ず、それは極めて深

刻な副作用をもたらすことになる。

(制約)

インフレ対策として、二〇二二年八月、「インフレ削減法」を成立

させた。同法は、クリーン・エネルギーや電気自動車の普及促進など気候変動対策や公的医療

保険の延長などを含む四三七〇億ドルの歳出、政府による薬価交渉、一五%の最低法人税率の

設定などを含み、七三九〇億ドルの歳入を見込んでいる。このうち、気候変動対策のための財

政支出の拡大や薬価の引き下げは、コストプッシュ・インフレ対策として正しいと言えるであ

(9)

を緩和するのではなく、

(2)

0 件のコメント:

コメントを投稿