2022年11月20日日曜日

現代資本主義の論理―対立抗争とインフレーション (1983年) | 藤川 昌弘, ボブ・ローソン |本 | 通販 | Amazon

現代資本主義の論理―対立抗争とインフレーション (1983年) | 藤川 昌弘, ボブ・ローソン 

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2021/09/30ミッチェル Marx and MMT – Part 2 – Bill Mitchell – Modern Monetary Theory 

 
参考:
現代資本主義の論理―対立抗争とインフレーション (1983年) | 藤川 昌弘, ボブ・ローソン 
V インフレーションと危機

 要するに、 好況の過程においては, 労働に対する需要が急速に上昇するの で, 失業労働および半失業労働からなる予備軍の規模は縮小してゆく. このた め交渉の際に労働者の立場は強化され, 賃銀は押し上げられやすくなる. 賃銀 が大きく上昇し利潤率がその「正常な」 水準以下に圧迫されると, 資本家は投 資を拒むようになりその結果恐慌が発生する。 この恐慌のあいだに投資をもう いちど有利なものとするような変化が生じ, やがて経済はふたたび拡大しはじ めることになる。 強力で戦闘的な労働組合運動があれば,たとえ高い失業に直面したとしても賃銀を押し上げ, そのカットに抵抗するであろう。この場合に は, 好況状態のもとで一方になお過剰な労働が存在していながら利潤が圧縮さ れて拡張が未成熟なまま終息し, また不況期には利潤率が削減されるためにその回復が遅れるであろう。 こういうとあるいは労働組合運動を非難しているよ うに聞こえるかもしれないがそうではない。 資本家が生産を支配しているかぎり資本家が事態を左右するのであり, 労働者には充分な成功を収める余地はないのだという明白な事実を述べているにすぎない。 もし労働者がこれに成功す れば, 資本家は投資を拒否することでこれに応じ, その結果未成熟ないしは長 期の恐慌が生じることになる。 労働者がこのディレンマを回避するには, 純粋 に経済的な闘争の領域を超え, 生産自体に統制を及ぼすために政治的なレベルで闘争するほかないのである.


163~164頁

2010年5月1日に日本でレビュー済み 
  著者のボブ・ローソン(1939〜)は、1970年代のマルクス・ルネサンスにおいて中心的役割を果たしたケンブリッジの理論家の一人である。その著者による最初の本格的論文集が本書だ。原著刊行は1980年。欧米マルクス派の若き理論家として、近代経済学正統派としての新古典派批判、帝国主義論、インフレーションと失業問題、マルクス体系における賃金論や熟練労働の取り扱いについてなど、実に多彩な<政治経済学>的テーマに意欲的に着手している。彼の理論的・実証的分野における資質の高さはスバ抜けているようで、この当時、日本でもさほど知名度が高くなったことが不思議なくらいらしい。

  本書冒頭に所収された論文「新古典派、新リカード主義、マルクス主義」(1974年)は、ローソンの理論家としての能力の高さを遺憾なく発揮した論文としてとくに有名だ。前任者である故モーリス・ドッブが、彼の盟友であるスラッファ理論を新古典派理論(限界理論)批判におけるマルクス派の同盟軍として高く評価したことに対峙して、ローソンはスラッファを始祖とする新リカード派に新古典派と共通する方法論上の問題点を見出し、それがとくに所得分配という狭い領域に専心していることを指摘した。スラッファ理論に対するドッブとローソンの違いは両者の世代差といえる側面もあるが、マルクスの理論の意義や主流派批判におけるスタンスは基本的に一致している。資本主義生産様式を見過ごした古典派のリカードとマルクスの差異を概観しながら、剰余価値の源泉、労働力の価値、不変資本・可変資本というマルクスの理論の特質をコンパクトに整理した論述も有意義だ。まさにローソンここにあり!といったところか。

  なお本書の「解題」をローソンと親しい伊藤誠氏が執筆している。その紹介内容も素晴らしく何度も読み返したくなるものだが、個人的には「とても楽しみながら書いている」という印象がしてならない。ローソンという欧米マルクス派を担ってゆく若手への大きな期待感がある種の高揚感になったのではないか。ローソンの邦訳は他にもあるが、初期の論文集としての本書の意義は大きい。


163

る 「正常な」 率の利潤を受け取らなければ投資しようとはしない。 極端な労働

不足ないしは戦闘的な労働組合が原因で賃銀があまりに急速に上昇したとすれ

ば、利潤率は「正常な」 水準以下に低下し資本家は投資を拒み, 拡張は行き詰

まり恐慌となる。 この恐慌には2つの効果がある。 第1に, 脆弱な資本が排除

されるとともに生産技術に全面的な改善がほどこされ, こうして生産の分野で

変化が生じる. そのために経済がやがて回復をとげたおりにはこれら新技術の

潜在能力が引き出されるために, そこで必要とされる労働は以前より少なくて

すみ, 生産性は急激に上昇するのである. 第2に,恐慌は失業の急増を生みだ

し, 労働者に自分たちの立場の不安定さを切実に自覚させてその要求を穏当な

ものに変え、さらには賃銀の削減をも呑ませることになる. したがって, 恐慌

は賃銀ならびに生産の双方に働きかけることにより、 利潤率を回復させるので

ある。 労働者階級を威嚇することにより、 恐慌は労働者の要求を押えこみ, ま

た生産の再編を強制することにより, こうした要求に対処する資本主義の能力

を増大させるのである. このようにして, 恐慌は資本と労働とのあいだの関

係を自生的に調整し、ふたたび有利な蓄積の条件を確立するのである。むろん、

これは恒久的な解決ではない。 賃銀が生産性を追い越すという傾向によるにせ

よ, あるいは別の要因や諸要因の複合によるにせよ, けっきょくもう一度恐慌

が生じることになるのである.

 要するに、 好況の過程においては, 労働に対する需要が急速に上昇するの

で, 失業労働および半失業労働からなる予備軍の規模は縮小してゆく. このた

め交渉の際に労働者の立場は強化され, 賃銀は押し上げられやすくなる. 銀

が大きく上昇し利潤率がその「正常な」 水準以下に圧迫されると, 資本家は投

資を拒むようになりその結果恐慌が発生する。 この恐慌のあいだに投資をもう

いちど有利なものとするような変化が生じ, やがて経済はふたたび拡大しはじ

めることになる。 強力で戦闘的な労働組合運動があれば,たとえ高い失業に直

面したとしても賃銀を押し上げ, そのカットに抵抗するであろう。この場合に

は, 好況状態のもとで一方になお過剰な労働が存在していながら利潤が圧縮さ


164 V インフレーションと危機

れて拡張が未成熟なまま終息し, また不況期には利潤率が削減されるためにそ

の回復が遅れるであろう。 こういうとあるいは労働組合運動を非難しているよ

うに聞こえるかもしれないがそうではない。 資本家が生産を支配しているかぎ

り資本家が事態を左右するのであり, 労働者には充分な成功を収める余地はな

いのだという明白な事実を述べているにすぎない。 もし労働者がこれに成功す

れば, 資本家は投資を拒否することでこれに応じ, その結果未成熟ないしは長

期の恐慌が生じることになる。 労働者がこのディレンマを回避するには, 純粋

に経済的な闘争の領域を超え, 生産自体に統制を及ぼすために政治的なレベル

で闘争するほかないのである.



価格

 恐慌は利潤率が低下して資本家が投資を拒否することで生じる。 ところでも

し資本家が望み通りの水準に価格を設定することができるならば, 利潤率の低

落傾向を価格上昇によって埋め合わせることができるので, 恐慌は決して生じ

ないであろう. 賃銀や租税の増大および資本の有機的構成の高度化などは利潤

率を低落させる作用をもつが、価格の上昇でこうした影響は断ちきれるのであ

る。 このことはもちろん, 利潤率の低落によって恐慌を説明するマルクスの資

本主義的発展に関する分析にも重大な帰結をもたらす.つまり資本主義は恐慌

を回避することで自己調整を行い, 拡張の過程で生じる不均衡を排除するため

の基礎的機構のひとつを除去することになる。 それゆえマルクスの分析が有効

でありつづけるには, 明らかに資本家が価格の引き上げで費用 (ないし租税の

増大を消費者に転嫁することを阻むような何ものかが存在しなくてはならない

ことになる。 そしてそれは現に存在する. 資本家は好き勝手に価格水準全般を

引き上げられないような貨幣面からの規律に服しているのである. これは次の

ように作用する。 国内通貨は固定平価で金に結びつけられており, その結果国

内通貨の購買力は金の購買力の変化に伴って上昇ないしは下落する。 国内通貨

がこのように機能することを保障するのは中央銀行の責務であり, マルクスは




2021/09/30ミッチェル Marx and MMT – Part 2 – Bill Mitchell – Modern Monetary Theory 

マルクスは、蓄積プロセスが資本の過剰な蓄積につながり、それが利益率を抑制すると考え、危機を引き起こしたのはこのダイナミックでした。

ただし、ここでロジックを選択解除する場合は注意が必要です。

はい、剰余価値の生産率(金銭的利益の基礎)を維持するための闘争は最優先事項であり、あらゆる種類の革新につながりました。製造現場の監督の導入。時間と動きの分析(テイロリズム)など。

はい、資本管理の生産と雇用の所有者と将来の収益に対する彼らの期待は、資本ストックが時間とともに蓄積する速度を決定します。

この文脈で、私は彼のエッセイであるインフレと危機(1980:133)で次のように書いたロバート・ロウソーンの仕事を思い出します

資本家は生産を管理し、特定の「通常の」利益率を受け取らない限り投資しません。極端な労働力不足または過激な労働組合主義のいずれかのために賃金が急激に上昇した場合、利益率はその「通常の」レベルを下回り、資本家は投資を拒否し、拡大は停滞し、危機が発生します。 

したがって、歴史的な期間における労働組合の役割を評価するとき、私たちは制度としての労働組合の論理と資本主義を定義する対立関係内でのその有効性の限界を認識しなければなりません。

Rowthorn(1980:134)の要約:

強力で過激な労働組合運動は、高い失業率に直面しても、賃金を押し上げ、賃金の引き下げに抵抗する可能性があります。ブームの状況では、これは利益を圧迫し、拡大を時期尚早に終わらせる可能性がありますが、それでも大きな余剰労働力があります。また、うつ病では、収益性が低下して回復が遅れる可能性があります。これは労働組合運動の非難のように聞こえるかもしれませんが、そうではありません。資本家が生産を管理している限り、彼らは鞭の手を握り、労働者は賃金闘争であまり成功する余裕がないという明白な事実を単に述べているだけです。もしそうなら、資本家は投資を拒否することで対応し、その結果、時期尚早またはより長い危機になります。このジレンマから逃れるためには、労働者は純粋な経済的闘争を超えて、生産自体を支配するために政治レベルで戦わなければなりません。 

(参照:Rowthorn、R。(1980)Capitalism、Conflict and Inflation:Essays in Political Economic、Lawrence and Wishart、London。)

しかし、同様に、危機の原因を考えるとき、資本家が労働者を金銭的な利益の形に利用することによって生産過程で収用した余剰価値を実現することができたのは市場交換を通じてであったため実現問題に焦点を当てることを避けられません

この文脈において、資本家は、より多くの売上を追求するために、消費者の購買力に比べて過剰生産のリスクを冒します。つまり、彼らが生み出した余剰価値を金銭的な形に戻すことはできません。

有効需要の不足(現金に裏打ちされた消費を望んでいる)によって引き起こされた売上の欠如は、資本家が彼らの生産を割り引くことを余儀なくされたり、破産したりするので、利益率を損ないます。

いずれにせよ、危機が発生し、(資本の)複製プロセスが妨げられます。

したがって、この段階では、マルクスにとって、危機は資本主義の論理、つまりその内部の矛盾に固有のものであったという見解を受け入れることができます。

つまり、政策の変更によって(一時的に)均衡が回復したとしても、それらは繰り返されるということです。

しかし、それから先に進むことができます。

ポストケインズ派は通常、有効需要の原理を説明するケインズの一般理論(1936)から始まりますが、セイの批判と金融資本主義経済における非自発的失業の現代的な理解を支える重要な要素は、マルクス、特に彼の1863年の作品–剰余価値学の理論



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