2021年5月14日金曜日

伊藤誠 (経済学者) - Wikipedia

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伊藤誠 (経済学者)


伊藤 誠(いとう まこと、1936年4月20日 - )は、日本経済学者東京大学名誉教授。日本学士院会員[1]

伊藤誠
マルクス経済学宇野経済学
生誕 1936年4月20日(85歳)
影響を
受けた人物
宇野弘蔵鈴木鴻一郎岩田弘
実績 宇野学派と正統派マルクス経済学者との共同研究を精力的に展開
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来歴・人物

東京都出身。マルクス経済学者東京大学名誉教授宇野弘蔵鈴木鴻一郎の後継者として宇野経済学の流れを汲む。

以前、マルクス経済学内部で存在した、資本主義分析を通じて社会主義への途を目指す正統派と称されるマルクス主義の流れと、原理論・段階論・現状分析に焦点を絞った宇野派の理論対立は、90年代に入ってほぼ収束した。伊藤は、その象徴的存在として、以前はありえなかった正統派との共同研究を精力的に展開している。

アソシエ21変革のアソシエ共同代表。新社会党9条ネットを支持している。

経歴

  • 1955年 東京都立日比谷高等学校卒業
  • 1959年 東京大学経済学部経済学科卒業
  • 1961年 東京大学大学院社会科学研究科修士課程修了
  • 1966年 東京大学経済学部助教授
  • 1975年 経済学博士(東京大学)。博士論文は「信用と恐慌」。
  • 1980年 東京大学経済学部教授
  • 1997年 東京大学を定年退職、國學院大學経済学部教授就任、東京大学名誉教授
  • 2003年 日本学士院会員
  • 2007年 國學院大學を定年退職、国士舘大学大学院グローバルアジア研究科教授
  • 2010年 国士舘大学大学院グローバルアジア研究科教授を退職

著書

  • 『信用と恐慌』(東京大学出版会)1973
  • 『資本論研究の世界』(新評論)1977
  • 『価値と資本の理論』(岩波書店)1981
  • 『現代の資本主義 その経済危機の理論と現状』新地書房 1981
  • 『現代のマルクス経済学』ティビーエス・ブリタニカ 1982 社会評論社、1988 
  • 『世界経済の中の日本 ポスト・フォーディズムの時代』社会評論社 1988
  • 『資本主義経済の理論』(岩波書店)1989
  • 『逆流する資本主義』(東洋経済新報社)1990
  • 『現代の社会主義』講談社学術文庫、1992
  • 『世界経済の転換を考える』時事通信社 1993
  • 『市場経済の学史的検討』社会評論社(マルクス経済学叢書) 1993
  • 『市場経済と社会主義』(平凡社)1995
  • 『日本資本主義の岐路』(青木書店)1995
  • 『日本経済を考え直す』(岩波書店)岩波セミナーブックス、1998
  • 『幻滅の資本主義』(大月書店)2006 
  • 『「資本論」を読む』講談社学術文庫 2006 
  • 『サブプライムから世界恐慌へ 新自由主義の終焉とこれからの世界 』(青土社)2009
  • 伊藤誠著作集』全6巻(社会評論社)2009-12
  1. 現代のマルクス経済学
  2. 価値と資本の理論
  3. 信用と恐慌
  4. 逆流する資本主義
  5. 日本資本主義の岐路
  6. 市場経済と社会主義
  • 『日本経済はなぜ衰退したのか』平凡社新書 2013
  • 『経済学からなにを学ぶか その500年の歩み』平凡社新書 2015
  • 『マルクス経済学の方法と現代世界』桜井書店 2016
  • 『資本主義の限界とオルタナティブ』岩波書店 2017

共編著

1『価値論の新展開』1983
2『利子論の新展開』1984
3『恐慌論の新展開』1985
9『市場経済の学史的検討』小幡道昭共編 1993
  • 『いまマルクスを問う』いいだもも共編 幸洋出版 1984
  • 『経済理論と現代資本主義 ノート交換による討論』置塩信雄共著 岩波書店 1987
  • 『経済学史』編 有斐閣 1996
  • 『情報革命と市場経済システム 企業と産業の構造転換』岡本義行共編著 富士通経営研修所(富士通ブックス)1996
  • 『マルクスの逆襲 政治経済学の復活』横川信治野口真共編著 日本評論社 1996
  • 『現代資本主義をどう視るか』北原勇,山田鋭夫共著 青木書店 1997
  • 『進化する資本主義』横川信治, 野口真共編著 日本評論社 1999
  • 『現代資本主義のダイナミズム』編 御茶の水書房 1999
  • 『マルクス理論の再構築 宇野経済学をどう活かすか』降旗節雄共編 社会評論社 2000
  • 『資本主義経済の機構と変動』編 御茶の水書房 2001
  • 『貨幣・金融の政治経済学』C.ラパヴィツァス共著 岩波書店 2002
  • 『危機からの脱出 変革への提言』本山美彦共編 御茶の水書房 2010
  • 『世界と日本の政治経済の混迷 変革への提言』本山美彦共編 御茶の水書房 2011

翻訳

  • 『欧米マルクス経済学の新展開』櫻井毅、山口重克共編・監訳 東洋経済新報社 1978
  • 『論争・転形問題 価値と生産価格』櫻井毅、山口重克共編訳 東京大学出版会 1978
  • ポール・M.スウィージー『革命後の社会』ティビーエス・ブリタニカ 1980
  • P.M.スウィージー, H.マグドフ『アメリカ資本主義の危機』ティビーエス・ブリタニカ 1982
  • ポール・M.スウィージー『革命後の社会』社会評論社 1990
  • D.M.ゴードン,マイケル・ライク, リチャード・エドワーズ『アメリカ資本主義と労働 蓄積の社会的構造』河村哲二共訳 東洋経済新報社 1990
  • ジョン・E.ローマー『これからの社会主義 市場社会主義の可能性』青木書店 1997
  • アンドルー・グリン『狂奔する資本主義 格差社会から新たな福祉社会へ』横川信治共訳 ダイヤモンド社 2007
  • エリック・ホブズボーム『いかに世界を変革するか マルクスとマルクス主義の200年』水田洋監訳,太田仁樹,中村勝己,千葉伸明作品社 2017

関連項目

脚注

  1. ""日本学士院第一部第三文科会員個人情報"" (Japanese). 2017年5月6日閲覧。



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6 件のコメント:

  1. 451 考える名無しさん[] 2021/05/15(土) 23:56:01.70 ID:0
    伊藤誠『『資本論』を読む』(講談社学術文庫)

    ポラニー(一九五七、第四章)によれば、封建社会までの経済システムは、基本的には互恵、再配分、家政の三原理の組み合わせにもとづいていた。


    現代のLETS(local exchange trading system)などの「地域通貨」も、多くの場合、そのような市場経済での本来の貨幣の限界をこえて、コミュニティー内部での労働の相互交換を組織化する試みをなしているが、地域社会の成員の相互協力への意識的な連帯を欠いては継続的に機能しえないであろう。


    しかし、たとえば、S・アミン(一九七三)の指摘しているように、いまや第三世界諸国からの輸出品の少なくとも四分の三は「超近代的資本主義部門」で産出されており、その労働生産性は先進諸国の工業部門と同等のものとみなしうるから、商品生産物に対象化される労働時間を通約可能のものとみて、実質賃金の大きな格差に対応する不等価交換(不等労働量交換)を国際交易にみとめることは、十分に妥当性があるという見解も、説得力を増している。

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  2. マルクスの思想と理論2020
    こうした欧米での新自由主義に意義をとなえ、反緊縮政策を求める新たな潮流の一部にL・W・レイ(2015)らによるMMT(modern monetary theory)が、国家と中央銀行の発行する通貨はインフレ・ターゲットの範囲内では、赤字財政を許容しつつ増発されうるはずであるとみなす見解が支持されつつある。それはケインズ理論の現代版ともいえるもので、日本の赤字国債累積やその延長上のアベノミクスの財政金融政策も典拠事例とされやすい。二〇一九年の参院選では、山本太郎らのれいわ新選組もこれに依拠して、消費税反対を主張し、注目を集めた。マルクス学派でも岡本英男(2014)、松尾匡(2019)らがこれを評価している。  しかし、MMTは、その基礎とする貨幣論に国定説的偏りをもち、ケインズ主義の延長上に公共事業優先的な日本のアベノミクスにいたる赤字財政容認論におちいるおそれもふくんでいる。少なくとも、MMTをめぐる議論も、新たな二一世紀型の社会民主主義と社会主義につうずる民衆運動を基盤として尊重し、その要請に内容的にこたえる民衆主導型で持続可能な人間と自然環境との再生産に役立つ諸政策にいかに貢献するか。それに要する財源として、一方で企業や富裕者を優遇し、他方で大衆課税としての消費税を導入し繰り返し増加し、経済格差を拡大してきた日本など新自由主義的税制を是正する方策との比較や補完関係の検討もふくめ、さらにその国家主義的な意義や有効性が問われるところがあるのではなかろうか。  いずれにせよ、先進諸国の多くでは、二一世紀型社会主義は、おそらく二一世紀型社会民主主義により新自由主義的資本主義をのりこえることから、新たな展望を開いてゆくステップをふんでゆかなければならないであろう。しかしそこにはまた、ロシア革命(一九一七)以来、長い年月をへて、まったくひさびさに先進国革命への萌芽が秘められているとも期待し、今後の社会主義政治変革の推移に注目してゆきたい。  新自由主義的資本主義が多重危機のもとに大きな転換期をむかえつつあるなかで、その根本をなす資本主義そのものにもいまやゆきづまりが深まり、その変革への可能性があらためてひらかれつつある。そこにふくまれる社会主義の未来への豊かな可能性の多様な模索や実践の試みに、マルクスの思想と理論を現代的に活かそうとする世界的協同作業にむけて、日本でも協力し検討を怠れない時代をむかえているのである。

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  3. #1-4
    複雑労働の単純労働への還元問題  
     こうした人間労働の根源的な同質で平等な抽象的人間労働としての基本性質は、特別な教育・訓練を要する複雑労働としての有用労働にも等しく認められてよいところではなかろうか。マルクスも基本的には複雑労働を単純労働と同質的な抽象的人間労働として同等に扱う理論構成を示している。しかし、他方で古典派経済学の労働価値説を継承するさいに、複雑労働は同一時間に単純労働にくらべ、何倍かの労働時間を(強められた労働として)支出するものとみて、複雑労働をどのような比率で単純労働に換算しうるかを問題として残しているところがある。
     そこからつぎのような二つの解釈が有力視されてきた。
     そのひとつは、抽象的人間労働の量関係は、市場で需給関係をもふくんで決定される諸商品の交換比率、すなわち価格関係を介して抽象され決定される社会的評価を示すところとみなす、I・ルービン(1928)的解釈が現代的に継承され評価されて、複雑労働が同一時間に単純労働の何倍の労働をおこなうかは、複雑労働の生産物(あるいはサービス)が市場でうけとる価格を介して評価され、それにともなって複雑労働力の価値としての労賃も市場で評価されるとする解釈である。
     しかし、この解釈は、マルクスの労働価値説が、価値の形態としての価格関係の背後に、あらゆる社会につうずる経済生活の原則として、そのときどきの再生産の技術的相互関連にもとづき、各種生産物の産出に必要な抽象的人間労働の量関係が確定されて、それが商品経済的には価値の形態関係を規制する価値の実体的基礎となるとみなす理論構成に不整合で、逆に市場での需給を課しての価格関係が、その背後の社会的実体としての労働量の決定原理となるように再解釈しているところがある。その再解釈は客観価値論としてのマルクス労働価値説の矛盾を示す、価格関係とその背後の労働量との相互媒介的決定論とみなされうる。ルービン自身は、市場経済によらない社会主義共同社会のような場合をおそらく想定しつつ、マルクスの労働概念には、市場を介しての抽象的人間労働としての規定とは別に、社会的に同等化される労働の量関係を問題としている側面も認めている。しかし、マルクスにおいては、抽象的人間労働としての同質性が、諸社会をつうずる人間労働の同等性に通底していることがむしろ重視され、そこに商品価値の「本質的規定」が人類史的に読みとられていた。ルービンはその側面を軽視している。
     もうひとつの解釈は、ルービン学派的解釈とは対照的に、商品の価値実体は、市場の背後でその再生産に要する労働量により決定されることを重視し、これを複雑労働力の商品としての価値にまず適用して、複雑労働としての技能や知識をそなえるための教育・訓練に要した労働量が複雑労働力の価値実体に追加的に蓄えられ、その価値を高めると規定する。ついで、この高められた価値が、複雑労働力の作業過程で、機械や道具などの(不変資本のなかの)固定資本の価値実体と同様に、順次、生産物に移転されてゆくとみなし、その分だけ単純労働にくらべ同一時間当たりでより多くの労働量を生産物に対象化することになると理解している。こうした解釈は、ヒルファディング(1904)や置塩信雄(1977)により定式化され、複雑労働の単純労働への還元問題についてのより正統的解釈を提示するものと考えられてきた。
     しかしこの解釈にも重大な問題が残されていた。もともと、A・スミスの複合的な価値論を純化したD・リカードの労働価値説は、労働に対する報酬としての労賃の増減は、労働により決定される生産物の価値に影響せず、その価値の労賃、利潤、地代への分配関係に影響するにとどまると述べていた。マルクスもこれを内容的に継承しつつ、その認識を、人類史的にみた資本主義のもとでの特殊歴史的な剰余価値の生産関係の原理として展開し、労働力商品の価値実体として(労働力商品の維持再生産に必要な生活手段に対象化されている)必要労働(V)とそれをこえる(利潤、地代、利子などに分化される)剰余価値の実体を形成


    Rubin, I. I. (1928,英訳版1972), Essays on Marx’s Theory of Value, (ロシア語一九三〇年版による)竹永進訳『マルクス価値論概説』法政大学出版局、一九九三年。

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  4.  こうした欧米での新自由主義に意義をとなえ、反緊縮政策を求める新たな潮流の一部にL・W・レイ(2015)らによるMMT(modern monetary theory)が、国家と中央銀行の発行する通貨はインフレ・ターゲットの範囲内では、赤字財政を許容しつつ増発されうるはずであるとみなす見解が支持されつつある。それはケインズ理論の現代版ともいえるもので、日本の赤字国債累積やその延長上のアベノミクスの財政金融政策も典拠事例とされやすい。二〇一九年の参院選では、山本太郎らのれいわ新選組もこれに依拠して、消費税反対を主張し、注目を集めた。マルクス学派でも岡本英男(2014)、松尾匡(2019)らがこれを評価している。
     しかし、MMTは、その基礎とする貨幣論に国定説的偏りをもち、ケインズ主義の延長上に公共事業優先的な日本のアベノミクスにいたる赤字財政容認論におちいるおそれもふくんでいる。少なくとも、MMTをめぐる議論も、新たな二一世紀型の社会民主主義と社会主義につうずる民衆運動を基盤として尊重し、その要請に内容的にこたえる民衆主導型で持続可能な人間と自然環境との再生産に役立つ諸政策にいかに貢献するか。それに要する財源として、一方で企業や富裕者を優遇し、他方で大衆課税としての消費税を導入し繰り返し増加し、経済格差を拡大してきた日本など新自由主義的税制を是正する方策との比較や補完関係の検討もふくめ、さらにその国家主義的な意義や有効性が問われるところがあるのではなかろうか。


    マルクスの思想と理論 2020年1月20日 第1刷印刷 2020年1月30日 第1刷発行 著者──伊藤誠


    #6-3


    著者 伊藤誠 (いとう・まこと) 1936年生まれ。東京大学名誉教授、日本學士院会員。東京大学経済学部教授、國學院大學経済学部教授、国士舘大学大学院グローバルアジア研究科教授を歴任。宇野弘蔵の後継者として6冊の英文著書があり国際的評価も高い。2012年にThe World Association for Political Economy, Marxian Economics Awardを、2016年に経済理論学会・ラウトレッジ国際賞をそれぞれ受賞。おもな著書に『価値と資本の理論』『資本主義経済の理論』『資本主義の限界とオルタナティブ』(岩波書店)、『信用と恐慌』(東京大学出版会)、『逆流する資本主義』(東洋経済新報社)、『現代の社会主義』『『資本論』を読む』(講談社学術文庫)、『経済学からなにを学ぶか』『入門資本主義経済』(平凡社新書)、『マルクス経済学の方法と現代世界』(桜井書店)、『サブプライムから世界恐慌へ』(青土社)、『伊藤誠著作集』全6巻(社会評論社)など。共編著に『21世紀のマルクス』(新泉社)などがある。

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  5. #6-3

    マルクスの思想と理論2020
     こうした欧米での新自由主義に意義をとなえ、反緊縮政策を求める新たな潮流の一部にL・W・レイ(2015)らによるMMT(modern monetary theory)が、国家と中央銀行の発行する通貨はインフレ・ターゲットの範囲内では、赤字財政を許容しつつ増発されうるはずであるとみなす見解が支持されつつある。それはケインズ理論の現代版ともいえるもので、日本の赤字国債累積やその延長上のアベノミクスの財政金融政策も典拠事例とされやすい。二〇一九年の参院選では、山本太郎らのれいわ新選組もこれに依拠して、消費税反対を主張し、注目を集めた。マルクス学派でも岡本英男(2014)、松尾匡(2019)らがこれを評価している。
     しかし、MMTは、その基礎とする貨幣論に国定説的偏りをもち、ケインズ主義の延長上に公共事業優先的な日本のアベノミクスにいたる赤字財政容認論におちいるおそれもふくんでいる。少なくとも、MMTをめぐる議論も、新たな二一世紀型の社会民主主義と社会主義につうずる民衆運動を基盤として尊重し、その要請に内容的にこたえる民衆主導型で持続可能な人間と自然環境との再生産に役立つ諸政策にいかに貢献するか。それに要する財源として、一方で企業や富裕者を優遇し、他方で大衆課税としての消費税を導入し繰り返し増加し、経済格差を拡大してきた日本など新自由主義的税制を是正する方策との比較や補完関係の検討もふくめ、さらにその国家主義的な意義や有効性が問われるところがあるのではなかろうか。
     いずれにせよ、先進諸国の多くでは、二一世紀型社会主義は、おそらく二一世紀型社会民主主義により新自由主義的資本主義をのりこえることから、新たな展望を開いてゆくステップをふんでゆかなければならないであろう。しかしそこにはまた、ロシア革命(一九一七)以来、長い年月をへて、まったくひさびさに先進国革命への萌芽が秘められているとも期待し、今後の社会主義政治変革の推移に注目してゆきたい。
     新自由主義的資本主義が多重危機のもとに大きな転換期をむかえつつあるなかで、その根本をなす資本主義そのものにもいまやゆきづまりが深まり、その変革への可能性があらためてひらかれつつある。そこにふくまれる社会主義の未来への豊かな可能性の多様な模索や実践の試みに、マルクスの思想と理論を現代的に活かそうとする世界的協同作業にむけて、日本でも協力し検討を怠れない時代をむかえているのである。

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  6. 451 考える名無しさん[] 2021/05/15(土) 23:56:01.70 ID:0
    伊藤誠『『資本論』を読む』(講談社学術文庫)

    ポラニー(一九五七、第四章)によれば、封建社会までの経済システムは、基本的には互恵、再配分、家政の三原理の組み合わせにもとづいていた。


    現代のLETS(local exchange trading system)などの「地域通貨」も、多くの場合、そのような市場経済での本来の貨幣の限界をこえて、コミュニティー内部での労働の相互交換を組織化する試みをなしているが、地域社会の成員の相互協力への意識的な連帯を欠いては継続的に機能しえないであろう。


    しかし、たとえば、S・アミン(一九七三)の指摘しているように、いまや第三世界諸国からの輸出品の少なくとも四分の三は「超近代的資本主義部門」で産出されており、その労働生産性は先進諸国の工業部門と同等のものとみなしうるから、商品生産物に対象化される労働時間を通約可能のものとみて、実質賃金の大きな格差に対応する不等価交換(不等労働量交換)を国際交易にみとめることは、十分に妥当性があるという見解も、説得力を増している。

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