2020年10月15日木曜日

アメリカ金融恐慌

の減少が進み,新規投資が大幅にマイナスに転じたことから,事態は急速に悪化し始めた。

30年の後半に入り,民間粗投資,すなわち減価償却投資と純投資を加えた投資が,一挙に2分の1の水準に縮小したのである。これに伴い,新規設備投資はおろか,設備の減価分を補てんする補充投資すら実行されない状態となった。こうして,設備機械・原材料投資などが急激に減少し,需要の急減,生産の縮小,物価の下落,失業の増大が一気に進んだ。さらに,投資が減少し,デフレがデフレを呼ぶデフレ・スパイラルが発生したのである。急激な投資の減少は,雇用と所得を減少させ,需要の激減となり,銀行の倒産・破綻が始まった。30年秋には,農村地帯と都市の一部でかなりの銀行が取り付けにあって,倒産した。デフレの進行に伴って銀行倒産が生じると,金融不安が広がり,信用収縮が進む。これが,金融恐慌・銀行恐慌である。当時は,まだ金本位制であり,しかも中央銀行による最後の貸し手機能が働いていなかったので,信用不安から預金の取り付け(金兌換・預金引出し)に会うと,銀行はたちまち休業し,流動性不足(金不足,決済資金不足)に陥ると,じきに倒産した。銀行倒産の数は,29年に659行,30年に1,350行に達し,30年の暮には,当時アメリカの最大の商業銀行であった合衆国銀行(BankofUnitedStates,NewYork)が破綻した。

https://www.u-bunkyo.ac.jp/center/library/image/KEIEI111-44_332.pdf





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